プラントとは工場のことを指す言葉で、プラントエンジニアリングはその工場の構築、維持に関わる仕事です。プラントの設計から製造、検査、稼動の確認からメンテナンスとこなします。当然これらを1人でやることは不可能であり複数のエンジニアで進めていくことになるのです。

プラントエンジニアリングはこのような仕事ですが、ではその業界において営業の仕事と求人事情はどのようなもので採用されるにはどうすればいいでしょうか。

プラントエンジニアリングの営業の仕事内容

プラント、工場を建てるにしても当然何のために建てるか分からなければ建築のしようがありません。そのため営業の仕事はそのプラントが必要な人間から依頼を持ってくることになります。個人が必要とすることは特殊な事例をおいて存在しないので法人相手の仕事になるのです。

法人と一言で称してもプラントの存在を必要とする相手は様々で単純な食品の製造をする企業から鉄や機械といった工業まで存在します。更にプラントを必要とするのは単なる法人だけでなく行政も対象でありガス、水道、電気といった公共に必要な企業も対象となるのです。

他の営業と大きく違うのは行政といった国を相手に営業を行うという仕事があるということになります。

規模も難易度も大きい仕事

国を相手にするとなれば当然その仕事内容と難易度も他の営業と比べると大きいものとなります。行政を相手にするということはそれだけ動き回らなければならず新幹線の利用も当たり前という世界です。更に海外を視野に入れて仕事をするのも珍しい話ではなく、飛行機も利用することになります。

その海外も国を相手に営業をするケースもあり、そうなれば営業として相手との契約を結ぶのも並大抵の難易度ではありません。海外でなくても国相手の営業は押しや媚びが一切通用せず如何に自分達のところで依頼するのが有意義なのかを示さなくてはいけません。正に営業としての手腕が試される場面です。

海外となると一定の国だけでなく多くの国を回る可能性もあり、その場合は文字通り「飛び回る」ことになります。単に営業だけでなく技術職の方とチームを組んで動くことも当たり前となるのです。その場合は単にプラントの製造だけでなく技術開発による依頼をすることもあります。

このことを考えれば営業の仕事の中ではトップクラスに難易度の高いものであるといっても過言ではないでしょう。最もどこを相手にするかは受け持っている企業によって違うため、選ぶ企業によってはそこまでの難易度を感じないという可能性もあります。

どこの国、企業を相手にするかによって難易度が変わると考えてもいいでしょう。

見合った待遇

しかしそれだけ規模が大きく、仕事内容も厳しいケースであればその待遇も見合ったものであることが多いです。プラント業界の平均年収は700万程度とされていて平均でこれならば海外が相手だと千万を超えるのも珍しい話ではありません。これ以上になるのも企業や仕事内容によっては可能と考えていいでしょう。

企業にもよりますが休日もそれなりに存在して有給もあることが多いです。もちろんどこで仕事をするかによっても変わるため、自分が仕事をする場合には求人を見て待遇の確認をする必要はあります。

プラントエンジニアリングの営業の求人事情

プラントエンジニアリングという言葉を始めて聞いたという方もケースとしては多いでしょう。その通りにこの業界は認知度が低く、人材不足にもなっています。就職はもちろんですが転職においてもプラントエンジニアリングを目指すという方はそこまで多くありません。

そのため転職倍率、競争率に関してはそこまで高くなく求人数も増加傾向であるため単に求人を探して応募するのであれば苦労はしないでしょう。しかし一方でプラントエンジニアリングはスキル、経験が求められる職種であるため簡単に応募して採用されるものではありません。

何より近年においプラントの重要性は国内よりも海外に視野が広がっています。そのため海外を前提とした求人が多く、その海外に対するスキルが求められることが多いです。倍率や競争は高くないが求められるものが原因で転職が難しいというケースになっています。

未経験にもチャンスあり

一方で営業の質が他の営業とは違うためか営業が未経験でも転職をするチャンスは十分にあります。プラントエンジニアリングということもあり、そのエンジニアに相応しい仕事の経験やスキルを持っていればそれが大きく有利に働く可能性が高いです。

海外展開が視野に入っているところも多いため、海外での仕事の経験があればこちらも有利になるでしょう。むしろ海外での経験があるというのは大きなメリットであるためそのメリットの割合が他よりも大きくなる可能性が高いです。

仕事の内容によってもどのような経験が有利になるか変わってきます。求人の情報と照らし合わせて自分の経験が有利になるかどうかを判断してみましょう。

ブラックが少ない?

転職において警戒すべき存在なのがブラック企業の存在ですがプラントエンジニアリングに関してはほとんど心配しなくてもいいです。仕事の内容を見れば分かるように国を相手にすることが多い仕事となっています。そのこともあって企業のほとんどは労働組合に加入しているのです。

ブラックとして問題があれば他の職種以上に目がつきやすく、厳格に対応することも多いことになります。他よりも監視が行き届きやすい環境であるためブラックが少ないのです。海外を相手にする以上、労働による問題で発生するトラブルのリスクが大きいのも理由としてはあるでしょう。

しかし気をつけたいのは「少ない」ということであり、ブラック企業が存在しないということではありません。特に労働組合に加入していない企業の場合は警戒した方がいいでしょう。他よりも心配はないといえど、一応の注意は払っておいた方がいいです。

他にもブラック企業は確かに少ないですが、日本の労働体勢ということもあってサービス残業といったことが存在する可能性はあります。仕事の厳しさのこともあって完全に安心しないようにしましょう。

プラントエンジニアリングの営業に採用されるには

求人事情のところにも書いたように海外展開を視野に入れている企業が多いです。海外が相手となれば当然その国に対応した言語が話せる必要があり、基本である英語力が問われることになるでしょう。

英語に関しては過去に仕事でしていれば問題ないですが、その縁がなかった人は改めて英語力を身に付けるしかありません。しかし単に英語を話せるだけでなく営業をしていく上の対話として必要であるため求められるスキルも相当なものとなります。付け焼き刃、生半可なスキルでは通用しないと考えていいでしょう。

仕事の厳しさもあって英語力が足りない方は別の海外に関わる仕事に転職してそこで経験を積んで挑戦した方がいいでしょう。

転職するに有利な資格やスキル

英語力の関係でTOEICを始めとして英語に関わる資格があれば当然ないよりも有利にすることができます。しかし高い英語力が求められる関係で半端な資格を持ってこられると逆に不利となってしまうので、相応の英語力を証明できる資格を持っていきましょう。

他にもプラントの製造をする関係で建築関係の資格があるといいです。営業であれば工事とは無縁であり建築関係の資格は関係ないと考えてしまいがちですが、営業の交渉に対する信頼性が変わってきます。実際に建築に関する知識がある人間とない人間、どちらの話が信用できるか考えれば答えは明白でしょう。

実際にプラントエンジニアリングではこの建築に関わる資格は評価が高くなるため、営業であっても目指すのであれば所持しておきたいです。もちろんプラントエンジニアリングに関わる程の資格を所持するとなれば簡単に取得をすることはできません。取得するための期間を設ける必要があります。

その資格のことも考えて転職をどうするか計画を立てていくといいでしょう。

向いている人はどんな人か

海外展開が多いという関係で海外に関わる仕事をしたい方には向いているといえます。特に企業によっては海外を飛び回ることにもなるため、そのように様々な国を仕事を通じて見てみたいと考える人にはより向いているといえるでしょう。

他にもプラントの製造に関わるため、製造に直接関わることはありませんが自分の行動で国が企業が動くというのは他の営業にはない「快感」があります。そうした営業の仕事をしながら、国に関わった仕事をしたいと考える方にも向いているのです。それと同時に向上心がプラスされればより確実でしょう。

履歴書、職務経歴書について

企業によってどのような指針を持っているかは変わってきます。そのため志望動機を書くのであればその企業の指針について確認して、それに合うような内容のを書くのがいいです。海外展開に関しても、その該当する国に関する内容を加えればより説得力が高まります。

当たり前ですがプラントエンジニアリングという職種について理解が足りない方は先に知識も情報も集めて書くようにしましょう。営業であってもプラントエンジニアリングについての理解が足りなければ当然それは悪い印象となってしまいます。もちろんプラントエンジニアリングの営業として仕事をしたいという熱意、向上心も必要です。

職務経歴書に関しては海外での仕事経験があればそれを重視して書きましょう。それがない場合に素直に自分の仕事経験を書いていけばいいです。もちろん書類として提出するため見やすいような書き方をするのは大事となります。

面接について

プラントエンジニアリングの営業は単独ではなくチームを組んで仕事をすることもあります。そのため面接においても他の人との協調性があるかどうかを試される質問が出る可能性は高いです。どのような質問が出るかは相手によっても変わります。

これに関しては企業の営業の指針や本人のそこまでの経験もこともあって答えが決まっているものではありません。特に営業は今まで単独での仕事をすることが多いため経験者だとこれに対する答えが思い浮かばないケースも多いでしょう。そういう意味では未経験の方が答えやすいかもしれません。

答えの考え方としては自分がチーム内でどのように行動して貢献できるかを考えるのが重要です。明確に考えることはさすがに厳しいですが、それでも「このような感じ」という雰囲気は掴んでおくのがいいでしょう。

英語の面接が出ることも…

海外展開を視野に入れている企業の場合は一般のではなく英語での面接がされるケースもあります。このような面接がされる場合は英語力が重視されると認識している企業であることが多いです。逆に言えばここで適切に答えられれば採用される可能性は高くなると考えていいでしょう。

しかし全て英語で答えなければいけないので一般よりも難易度が高いことは確かです。特に英語はニュアンスによって受け取り方の違いもあり、場合によっては相手に全く違う意味に取られてしまうということもあります。この点に関しては事前に理解しておいた方がいいでしょう。

対策としては完全に英語で答えられるように自分の英語力を磨くようにするしかありません。このような面接が来てもいいように日々英語力を磨いておくといいでしょう。

まとめ

ブラック企業が少ないこともあり、営業の仕事としては利益よりも貢献をするという面が強い黒いイメージが少ない珍しい仕事です。その分仕事の難易度も高いですが、充実して待遇も申し分ないために営業の仕事をするにおいて最終目的として考えてもいいものとなっています。

そのため営業の経験を積む上ではこのプラントエンジニアリングの営業を視野に入れて転職の計画を立てていくのもいいでしょう。難易度が高いことは確実であるため未経験の方はどのようにすれば目指せるのかを考えて計画を立てていくのがいいです。