家は人が住む場所として必要なものであり、人生においた高い買い物に分類されます。その家の提供をするのが住宅の営業の仕事となりますが、単に提供するだけが仕事ではありません。一方でエクステリアは家ではなくその外観を飾りつける行為であり、こちらにも営業の仕事は存在します。

では実際に住宅とエクステリアの営業の仕事内容、求人事情はどのようなものであり、採用されるには何が必要となるのでしょうか。

住宅の営業の仕事内容

家の提供をすることが仕事ですが、家は提供しようとしてすぐにできるような存在ではありません。正確には客からの要望を聞いてそれを基に家を建築してそれを提供する形になります。見方としては製造業において商品を作るのと同じと考えてもいいです。

エクステリアも同じようなものであり、相手がどのような外観を希望するかを聞いてそれを基に製作していくことになります。単に要望を聞くだけでなく客が土地を持っているのであればその土地の調査、なければ土地探しも行うのです。金銭の問題に関しては住宅ローンの提供も仕事に入ります。

家を要望する人の中には企業において重役の人もいる場合がありますが、そのような普段は仕事をしている方も家を要望している時は「一般人」となります。そのため住宅とエクステリアの営業相手は特殊な例がない限りは法人ではなく個人を中心に相手をする営業となるのです。

向かうのではなく待つ営業

住宅の営業は家に訪問することはありますが、最初にそのような行為をすることは少ないです。基本的に住宅営業の仕事場は住宅展示場であり、そこに来訪した客に家の説明、要望を聞いていきます。聞いた上で訪問する契約を頂いて始めて家に訪問するのです。

住宅展示場に限った話ではなく、他にも家が絡む見学会やイベントでも同じようなことを行います。基本的に営業といえば個人や法人でも客の元に訪問して仕事をすることになりますが、住宅営業は自ら客の元へ行くのではなく来るのを待つのが他の営業との大きな違いです。

訪問がないとは限らず、企業によっては飛び込みで訪問をさせるというケースもあります。しかしこのケースは大抵が契約できる見込みのない行為であるためほとんどあり得ないケースです。

仕事はどうなのか

仕事の厳しさに関してはどこの企業で仕事をするかによっても変わりますが、基本的に厳しいと考えた方がいいでしょう。家は人生で高い買い物であると同時に簡単に作れる存在ではありません。相手の金銭状況も踏まえてその要望を聞き、実現に踏まえての調整をしなければいけないのです。

単に相手の要望から家の提供をするのではなく、注文住宅として相手の要望を家に反映させるケースもあります。この場合は細かい注文と実現できるかどうかも金銭のことも考えて調整しなければいけないため普通に提供するよりも難しいです。エクステリアの場合は外観の面積と位置も考える必要が出てきます。

客が家に対して詳しいのであれば話は別ですが、家の建築に関して知識がない方が多いです。そのため営業する側はできること、できないことも踏まえて相手に説明をする必要があります。このことから営業をするのであれば十分な建築に関わる知識が必要となってくるでしょう。

ノルマは企業によって異なり、それこそ地獄と感じるところもあればそうでないところもあります。しかしノルマがどれくらいあろうが仕事の時間は8時間を平気で越える程の激務となります。このこともあって営業の仕事の中では離職率が高い仕事の1つとなっているのです。

待遇、年収はどうか

離職率が高いという仕事通りに住宅の営業は予定通りに休みが取れないことも珍しくありません。基本的に平日が休日になることが多く、予定によってはその休日も返上して仕事をしなければいけません。突然返上しなければいけないというケースも出るため休日を休日として過ごせないこともあるでしょう。

一方で年収の方は企業によって変わりますが実力主義な世界であるため実績があればある程高くなります。その幅はかなり高く若い世代でも千万を超えるのは珍しくない世界です。更に上の世代になれば数千万も不思議ではなくなっています。

住宅の営業の求人事情

離職率が高いという仕事通りに求人が世に出る頻度は多いです。しかし離職率が高いという話は激務なことはもちろんですが、ブラック企業の割合も多いという実状があります。そのため住宅の営業で求人を選ぶのであればブラックかどうかを確認することが大事になるのです。

しかし激務なことが当たり前の世界であるため、ブラックでない企業でも離職する人間が多くなります。そのため離職率だけでブラックかどうかを判断するのは難しい話です。実際にその企業がどのようなところなのかという情報を集めて問題のある内容が出てくればブラックと考えた方がいいでしょう。

転職倍率は離職率の関係でそれ程高くなく、大手や有名なところも他の営業の大手に比べればまだチャンスがある世界となっています。営業が未経験でも採用してくれる求人は多いですが、ブラックでなくても営業としてやっていくのであれば激務に耐えうる精神面と円滑に進める知識と情報が必要です。

そのため未経験の方は無理に狙わず、他で営業の経験を積んだ方が無難といえます。しかし未経験でも実績を積んで好待遇、高年収を目指すチャンスはあるので、知識等や精神面で自信がある方は狙ってみてもいいでしょう。

転職に有利な経験

家を取り扱う仕事であるため、過去に賃貸物件、不動産での仕事をしている方は取り扱う知識もあるため他の未経験者より有利になります。営業だった場合にはその実績が高いものであれば尚のこと採用される可能性が高くなるでしょう。

他には激務ということで過去に激務の経験があれば有利になる可能性があり、体力勝負でもあるので、その体力を多く使う仕事に携わっていても有利になる可能性があるのです。体力とは別に精神面が問われる仕事の経験も同様に有利にすることができるでしょう。

住宅の営業に採用されるには

資格や技術はもちろんですが何よりも携わるのであれば精神面をしっかりしておいた方がいいです。住宅関係の営業において離職率が高い理由はノルマや実績によるプレッシャーはもちろんですが、激務を続けることによる病気を発症してしまうことにもあります。

その病気は身体面のこともあるのですが何よりも精神面での症状が多く、うつ病や神経失調といったものになることもあるのです。精神的な症状が出てしまえば仕事を続けることはもちろんですが、退職した後にも影響が出てしまいます。場合によっては人生を破滅させてしまうことにもなるでしょう。

こうならないように精神面を安定させておいた方がいいのです。体が弱ると心も弱りやすくなるので体力に不安がある方は運動する等して体力を点けておきましょう。逆に体力も精神も不安であれば、住宅関係の営業を選ぶのはやめた方がいいです

転職に有利な資格

家に携わるということで住宅を扱うのに関わる資格が有利に働きます。住宅を扱う資格としては宅地建物取引主任者、住宅販売士、住宅ローンアドバイザー等が存在するのです。特に宅地建物取引主任者、通称宅建と呼ばれる資格は不動産業を営む上では必須とされています

そのため重要度は高く取得していれば他よりも有利になる度合いが高いです。資格の取得は制限を設けていないので住宅関係の仕事に関わらなくても取得することはできます。もちろん取得は一筋縄ではいかず、難易度が高いので得るのを目指すのであれば相応の努力が必要です。

住宅関係以外にも多額の金額が動く関係でそのお金を扱う資格、ファイナンシャルプランナーも転職の有利に働きます。

住宅の営業に向いてる人は

実績が必要となるのでとにかく努力家であることです。この努力も並の物ではなく常に前向きにできるようなものであり、簡単に落ち込まずに前向きになれる努力家が向いているといえるでしょう。逆に言えばこれらが該当しない人はやめた方がいいことになります。

もちろん営業の仕事であるため、他の営業と同じように営業特有の適正も関わってくるのです。

履歴書、職務経歴書について

住宅の営業は家という非常に高価な物を扱います。そのため企業側としてもその高価な商品を取り扱うのに値する人間かどうかを書類という形で見極めるのです。。このことから履歴書、職務経歴書を書くにおいては自分がそれを取り扱っても問題ない人間であることをアピールするのがポイントとなります。

家に興味を持っているということも必要ですが、単に興味を持つだけでは企業としても任せられないのでエピソードや知識を志望動機や自己PRの中で披露しましょう。離職率が高く激務の多い仕事でもあるので、それを乗り越えるような文章もあるとアピールとして説得力が強くなります。

職務経歴書に関しては住宅関係の仕事をしていた場合にはそれを重視して書くようにするのがいいです。詳細に書くことで自分がしてきたことをアピールできて「住宅関係は問題ない」と示すことができます。ない場合には真摯に書いて、仕事への姿勢をアピールするようにしましょう。

面接について

住宅の仕事であるため住宅に関わる質問は高確率で出てきます。場合によっては展示会を始めとしたイベントに行ったことがあるか、どうだったかという質問がされることもあるので実際に行っておいて感想を考えておいた方がいいでしょう。

離職率が高いということで厳しさ、きつさに関わる質問が出てくる可能性も高いです。単に「大丈夫です」では説得力にかけるため、自分の能力も踏まえてどのように問題ないかを示しましょう。逆にここで相手を納得させられない返答が考えられない場合は転職を諦めた方が無難です。

離職率の高い激務の仕事ということで圧迫面接が行われる可能性もあります。しかし圧迫はあくまで雰囲気だけのもので、返答自体はそのままで問題ないというケースが多いため冷静に答えるようにしましょう。

まとめ

離職率が高く激務が続く仕事と営業の仕事として選ぶには厳しい仕事です。しかしその反面実績を積めば待遇はよくなり、年収は高くなるので自分の実績を実感することができます。家という高価な物を販売するという意味でも他では味わえない快感があるのです。

悪いことばかりではありませんが、悪い部分が目立つのも事実ではあります。本当に転職先で選ぶかどうかはよく考えてからにしましょう。