一般の社会で生活していくにおいて電気の力、電力はなくてはならないものです。電気がなくても生活をすることは可能ですが、その場合は大抵が「世捨て人」のような生活をしなければいけません。そのため電気を取り扱う電力の企業は社会になくてはならないものなのです。

会社もボランティアで経営しているわけではないため、当然電力を提供する際にはその分の料金を得ています。料金を得ているところから分かるように、この電力の提供もビジネスの一環です。そのため電力会社にも営業の仕事が存在します。

では電力の営業の仕事内容、求人事情はどのようになっていて、採用されるには何が必要となるのでしょうか。

電力営業の仕事内容

電力会社なので電力の提供をするのが仕事…ではありますが、どこも電気を使っているのは現時点で当たり前のものになっています。そのため電力会社の営業がする主な仕事は電力のプランを提供することです。節電はもちろんですが、料金や機器といった様々な点から適切とされるプランを考えて提供します。

電力を必要とするのは個人、法人問わずに同じことであり、仕事内容と企業によってどのような相手に営業するか変わるのです。中には賃貸物件を取り扱っている会社を相手にして、その賃貸物件に居住する個人相手に提供するといった一括的な営業をする形式もあります。

他にも電力が一定の数値を示している人間を対象にしてサービスの提供をするという仕事もあるのです。単なるアドバイスだけでなく、配電をする担当者の手配もします。その電力の設定は仕事をする企業や地域によっても変わってくるのです。

単に電力の取り扱いを変えるだけでなく、その電力を活かしたサービスの提供をするということもあります。電気を使うもの以外にも電気を使うようにするオール電化がそれに該当するのです。他には太陽光発電をするためのプラン、ソーラーパネルの設置も該当します。

仕事としてはどうか

将来的に電力が必要にならない新しいエネルギーが出てくれば話は別ですが、そうしたことはまずないので電力の需要が下がることはありません。そのため電力の営業も他の需要がない商品と比べれば、まだ比較的営業として契約が成立はしやすいものといえます。

しかし電力会社も多くの数が存在し、その中には大手も幾つか存在しています。そのため競争率は決して低くなく、そこに生き残るためには他よりも魅力的なプラン、商品を提供しなければいけないのです。更に提供する相手によって何が適切かが変わるため、それを相手に伝えるための手腕も必要となります。

オール電化を取り扱う場合は更に厳しい現実が待っています。というのも「あの災害」以降、国内は節電傾向になっていて全ての面で電力を利用するプランを導入するのには抵抗が生まれやすいからです。それ故に契約を勝ち取るのは難しく、ノルマ達成に苦労することになるでしょう。

電力の営業は飛び込み、新規開拓をする割合も多いので、その新規の相手に売り込むという面でも難しくしています。

光とは真逆の闇

それ以上に別の方面で問題があるのが太陽光発電です。太陽光発電は太陽の光を利用して電気を作り、余ればそれを電力会社に売買することができるというもので話題になりました。現在は話題になった時期に比べると陰が薄くなりましたが、今でもその存在は消えていません。

環境にも優しく、ソーラーパネルを設置することで自分達で電力を作り足せる太陽光発電、しかしこの太陽光発電に罪はないですが、企業として見ると問題が多いのです。実際に太陽光発電の営業によって「被害」を受けているという話が多く見られています。それは消費者センターで被害相談が多くあるという程です

そのやり口というのが太陽光発電について相手側が「詳しい」ことを知らないのをいいことにメリットばかり話して契約させるという詐欺師紛いのものです。これで終わらず更に必要以上に金銭をぼったくることもあります。こうしたこともあって太陽光発電の業者=悪徳業者と称しても仕方がないのが太陽光発電を取り巻く現実です。

もちろん太陽光発電を取り扱っているところ全てが悪いところではありません。しかしこのようなイメージがあれば、正しくしているところでも営業がかなりやり辛い環境になっていることは確かです。転職先で選ぶのはやめた方がいいでしょう。

待遇、年収について

年収はどこの企業で仕事をするかで変わりますが、電力という社会に必要な物を取り扱っていることもあり、全体的に水準は高い傾向です。特に大手となれば七百、八百万程度が平均となっていて、これだけ高ければ千万超えることも不可能ではありません。

若い世代でも水準が高いため、未経験で参入しても高年収を期待することができるでしょう。しかし気をつけたいのは大手であっても年収が高くなるとは限らないということです。現に有名な大手である東京電力、東電は「あの一件」以降年収が右肩下がりという有様になっています

しかし他の大手も今後の流れによっては年収が高いまま維持できるとは限りません。電力の需要は高いですが、それが企業の安定に繋がっているかどうかはまた別の問題なのです。

待遇については企業によって変わりますが、比較的残業は少なくなる傾向になっています。休日、福利厚生共に問題もないため、待遇としては悪くはありません。もちろん企業によってその方針は変わっていてそれは大手でも例外ではないので、求人選びはそこも考えてやりましょう。

電力営業の求人事情

電力の企業は中途採用も積極的に行われているので、求人を探せば意外と多く見つかります。しかし転職となると大抵が何かしらの能力や経験を求められることも少なくありません。営業の場合は営業の経験が求められることが多くなるのです。

未経験を募集しているところはありますが、大抵の場合は年齢制限が課せられていることが多いのでそこを忘れずに確認しましょう。転職倍率に関しては時期によってその高さが変わってきます。現に大手でも問題が発覚した東電は他の大手より倍率が低くなって転職しやすくなっているのです

もちろん「あれだけの問題」が発覚した東電に転職したいと考える人がいるかどうかは話が別になりますが。しかし仮に東電でなくても、転職倍率が容易になった際は何かしら問題が起きて、待遇や年収にも影響が出ている可能性が高いです。そのため転職する時はその点も理解して選ぶようにしましょう。

どれにしても転職であれば経験が求められる可能性は高いので、未経験の方は他の営業で経験を身に付けてから転職を考えた方がいいです。その方が選択肢も多くなり、良い企業を選びやすくなります。

転職に有利な経験

電力を取り扱う企業なので、過去に営業以外、技術を必要とする電力の仕事に携わっていれば有利になる可能性は高いです。しかし営業の場合は営業としてのスキルを重視される傾向もあるので、企業によっては役に立たないケースがあります。逆に営業の経験はどのような経験でも評価される傾向にあるのです。

そのことから考えると、やはり営業の経験を積んだ方がいいでしょう。

電力営業に採用されるには

いい企業に採用されたい場合は営業力が問われることになるので、電力の営業に転職する前に別の営業に転職することを考えることになります。どのような営業の経験を評価するかは企業によっても変わってくるので、自分が目指すとされる企業が何の経験を求めているか確認してから計画を立てるといいでしょう。

経験を積めば積むほど転職できる可能性は高くなりますが、あまり積みすぎると電力営業をする時期が少なくなるという、本末転倒なことになってしまいます。数年あれば十分ではあるので、その辺りを視野に入れて考えるのがいいです。

後は電力業界を取り巻く環境についても調べておくようにしましょう。時期によって企業の環境も変わってくるので、それを理解しておかないと書類選考、面接を通過できない可能性があるからです。経験を積んでいる間も常に確認しておきましょう。

転職に有利な資格

電気を取り扱う仕事なのでそれに関わる資格が有利になります。電気に関わる資格としては電気主任技術者、電気工事士といったものが存在するのです。電気主任技術者は3種、2種、1種、電気工事士は1種、2種と分類されています。

どちらも受験資格に制限はなく、誰でも受けることが可能です。しかし電気主任技術者は、最もランクが低い3種でも難易度が高めになっていて一筋縄ではいきません。電気工事士に関しても同じことなので、しっかりと勉強しないと取得することはできないでしょう。

どちらも最低ランクの資格があれば十分です。というよりも上のランクを目指すのであれば、営業ではなく技術者を目指した方がいいでしょう。

向いてる人

電力に対して興味を持っていることは必要ですが、それ以上に電力の営業は営業としての素質を求められることが多いです。そのため、営業に向いているかどうかが電力の営業に向いているかどうかのイコールになります。自分が営業に向いているかどうかを調べてみましょう。

履歴書、職務経歴書について

技術者であればその技術を基にして書けばいいですが、営業の場合はその電気技術が関係ない仕事です。そのため電力会社で何故働きたいか、を書く必要はありますがそれと同時に営業である理由を示さなければいけません。言葉が足りなければ「営業でなくていい」と思われて間違いなく落とされてしまいます。

営業の仕事内容を調べてそこから何ができるか、貢献できるかを考えましょう。仕事内容はもちろんですが、企業によって指針が変わるのでそこを踏まえた上で書くようにしなければいけません。そのため企業研究は欠かさずにして、特に企業の指針については忘れずに確認しておく必要があるのです。

特に最近の電力業界は、災害のこともあって様々な問題が出てきています。そのため企業としては責任を持って誠実に仕事をしてくれる人間が欲しいのです。内容を書く際にはそこに着目をして書くと、他の応募者と差をつけることができるでしょう。

職務経歴書は重要であり、営業であれば営業の経験をどう書くかがポイントになります。経験と能力をアピールできる場面なので、有効とされる経験があれば数字と詳細を交えて相手側に示しましょう。

面接について

電力業界ということもあり、電力に関わる質問が出てくる可能性が高いです。特に時勢の関係で「原子力」に関する質問が出てくる可能性は高いと考えていいでしょう。自分が原子力に関してどう考えているか、面接前にまとめておくといいです。

電力以外となると、基本的な質問で終始することが多くなります。その中には自分がどう貢献できるか、仕事をしていけるかが含まれ、ほぼ必ず聞かれることになるので考えておきましょう。

基本的な質問はいいですが、電力関係になると原子力以外ではどのような質問が出るかを予測をすることは難しいです。こちらの意見を述べる系統も多くなるので、知識よりも自分の考えを持った方がいいことになります。しかし電力関係の経験や資格があると突っ込まれて聞かれるので、そこの対策はしきましょう。

まとめ

高年収を狙いやすいですが、業界としては安定していると言い切れないのが現実です。何か問題が起こればリストラ、解雇の危険性も出てきて、その問題が出る予兆を予測できないのが厄介なものとなっています。そのため安定性を考える場合は、あまりおすすめをすることができない営業です。

しかし一方で、電力という社会に必要な商品を取り扱うことができる仕事にもなっています。そのため営業を通して社会貢献をすることが可能であり、それが電力営業の魅力ともいえるのです。この点に魅力を感じるかどうかで転職先として選ぶかどうかの判断をしてもいいでしょう。