OA機器とはオフィスオートメーション、機器を利用して事務作業の効率化を図る機器のことを指す言葉です。機器の代表としてはコピー機やファクシミリがあり、現代社会においては既に当たり前のように存在しています。当たり前のように存在しているということは、それだけ需要があるということです。
そのOA機器を提供するのが営業の仕事となりますが、実際にその仕事内容、求人事情はどのようになっていて採用されるにはどうすればよいのでしょうか。
OA機器の営業の仕事内容
OA機器を必要とするのは基本的に事務作業を必要とする企業です。しかし「事務作業の必要がある企業」というのは基本的にどこの企業も同じであるためほぼ全ての企業が対象となると考えていいでしょう。見方を変えればその分様々な企業と接する可能性が高い営業の仕事ということになります。
実際の仕事としてはやはりOA機器の提供、販売にあり企業へと紹介して契約をしてもらうことになるのです。もちろんOA機器は設置すればそれで終わりではなく故障やメンテナンスといったトラブルがあった時の対応もしなければいけません。単に販売するだけでなくレンタルの提供をするケースもあります。
法人を相手にする仕事として
見て分かるとおりにOA機器の営業で相手をするのは企業で、ほとんど法人相手で仕事をすることになります。しかも相手となる企業は会社によって異なりますが分野は問わず様々な職種の企業が出てくるのです。出てくるということはその職種に応じた対応をするのが必要になります。
このことから分かるように営業としての難易度は高いと考えていいです。高いということは営業の経験がない人間には荷が重い仕事になります。更にOA機器は企業において当たり前ではありますが、需要がある故にOA機器を取り扱っている企業は様々です。
様々ということはそれだけライバルがいるということであり、自分のところで契約してもらうには相応の対応をしなければいけません。相手の企業に応じてだけでなくどうすれば契約してもらうかも考えて交渉を進めることも必要なのです。難易度が高いという理由にはその交渉の仕方も含まれます。
離職率の高い仕事
難易度が高いというところを見れば離職率が高い仕事だということはある程度想像できると思います。しかし離職率の高さの理由はその難易度の高さだけではありません。正直に言いますが、このOA機器の営業はブラックが多いのです。
ノルマの数字によるプレッシャーはもちろんのこと、とにかく売り込むことが必要なので飛び込み営業をするのも当たり前の世界となっています。しかもこの「飛び込み」は「押し売り」になることも多く、言葉通りに「死んでも売る」ことになるのが現状です。当然このような無理やりな営業をしていれば企業として問題になることは確実となります。
数年持てばいい方と考えた方がよく、OA機器の営業に携わるのであればこうしたブラックで地獄を見る可能性があることを理解しておきましょう。
待遇はどうか
OA機器の営業の待遇については企業によっても異なりますが、基本的に最初の方はそこまで年収が高いものではありません。他と同じく年功序列によって上がるケースが多く、実績と年齢の上昇によって年収も高くなっていきます。しかしこれも大手といわれるところの話です。
大手でないところで仕事をしている人の待遇は正直良いものではなく、年収も場合によっては400万程度と仕事内容に見合ったものではないこともあります。逆に大手の場合は実績と年齢によっては千万を超える可能性もあり、休日等も充実していることが多いです。
ブラックが多いのと同じくこれがOA機器の現状ともいえるものであり、どこを選ぶかで地獄か天国か変わるといってもいいでしょう。しかしどこを選んでも仕事が厳しい、きついことが変わらないことは理解しておかなければいけません。
OA機器の営業の求人事情
OA機器の営業の求人に関しては見つけること自体はそこまで苦労しないでしょう。しかしブラックが多い業界であるようにその求人の大半は生命保険や不動産業界と同じ「人員補充」を目的とした意味合いが強いものです。そのようなところであれば倍率は低いですが、数年で離職する可能性が高いでしょう。
人員補充を理由でしているということは中途採用もよく見かけるということになります。ネットの普及によって「OA機器の営業はブラック」という認識も広まりましたので競争率もそこまでありません。未経験者でも採用される可能性は高いですが、仕事内容のことを考えればやめた方がいいです。
それこそ未経験者がやるのであれば営業という仕事が嫌いになって今後関わりたくないと考えているのなら、というレベルになります。大手となると転職倍率は多少高くなりますが、それでもかなり高いところと比較すれば離職率が高い関係もあってそれ程のものではありません。
経験における転職の違い
営業の仕事が厳しいという関係で経験がある人間の方が当然転職においては有利になります。しかし営業で転職をする場合には何かしらOA機器での営業をしたいという目的がない限りは他の営業職を選んだ方がいいです。待遇という面を考えれば他で営業をした方がいいのですから。
扱うのが機器という関係で過去にエンジニア等の機械関係の仕事に携わっている場合は未経験でも転職の有利にはなるでしょう。OA機器の説明をするという関係で過去にOA機器を取り扱う仕事をしていれば直接機械いじりをする立場でなくても有利になる可能性は高いです。
他にも様々な分野の企業を相手にするという関係で、その企業が対応する職種の企業の仕事をした経験があればそれが有利に働く可能性があります。
OA機器の営業に採用されるには
営業の仕事が厳しい関係で人員補充が目的でない企業となれば一定の営業のスキルは求められます。この時点で営業が未経験という方は諦めた方がよく、他の営業を考えた方がいいです。それでも諦められないのであれば他で営業のスキルを身に付ける必要があります。
どれくらいの営業力が求められるかは企業によって異なりますが、少なくとも生半可なものでないことは理解しておいた方がいいです。生半可なものでも採用される可能性はありますが、本人が仕事についていけない可能性が高くなります。採用を目指すだけでなくその後のことも考えましょう。
意外と重要な人間力
他には営業で相手に売り込むための「人間力」も意外と重要です。というのも確かに仕事をしていく上ではOA機器の性能が高い方がよいですが、OA機器の営業は様々な職種の企業を相手にします。そのため相手がOA機器についてほとんど知識がないということも多いのです。
知識がなければどれだけ雄弁に提供するOA機器が凄いか説明してもあまり意味がありません。むしろ企業によっては「そこまで多彩な性能は必要ない、最低限のことができればいい」と考えていることも珍しい話ではないのです。そうなると決め手となるのが販売する側の人間力となります。
人間力に関しては簡単に鍛えられるものではありません。これに関しては常日頃に相手に好感を持って信頼されるような人間になろうと努力をするしかないでしょう。
機器の知識も持つ
営業として販売するのであれば当たり前ですがそのOA機器に関する知識がなければ話になりません。そのためOA機器に関する知識が必要になりますが、それだけではまだ不十分ともいえます。真に必要となるのはそのOA機器を販売するにおいての業界におけるニーズへの理解力です。
現在では既にOA機器は当たり前となっていますが、それ故にOA機器の業界は飽和状態にあるといってもいいことになっています。そのため販売をかけたとしても必要ないと考える企業であれば意味がありません。その「必要」とするところを見極めてそこに売り込む「目」が必要となるのです。
逆に言えばこうしたOA機器に関しての知識、情報を集めるのが得意、好きという方はこの営業の仕事に向いているといえるでしょう。
メンタルの強さが大事
仕事が厳しい関係でそれに対するストレスに耐えうるメンタルが必要なのもある程度想像できるでしょう。営業の仕事自体はメンタルが強くないとやっていけませんが、OA機器の営業となればその傾向はより強くなります。「経験があるから大丈夫」程度ではすぐに潰される可能性が高いのです。
OA機器の営業の他にもメンタルの強さが求められる職種は存在します。その仕事の経験がであれば問題なく対応することが出来るでしょう。逆にその経験がない方の場合は厳しいので狙わない方がいいでしょう。
履歴書、職務経歴書について
志望動機を書くのであればその応募する企業のことをよく理解してから書きましょう。企業としても自分達の扱っている商品についてどれくらい知っているかによって見方も変わってきます。この変化の違いが採用か不採用かを決める要因になるといっても過言ではない程です。
OA機器に対しての知識がある場合は志望動機、自己PRのどちらかにその旨に対する内容を盛り込むといいでしょう。場合によっては専門用語を使うのもありで、相手も取り扱っている企業であれば理解してくれる可能性が高いです。逆に言えばそれも理解していない企業に行くのは正直おすすめしません。
職務経歴書については過去に機械、OA機器を取り扱う仕事をしていた場合はそれを重点的に書いて注目させるのがいいでしょう。もちろん内容が不自然にならないように形式を考えて見易いように構成することも必要です。
面接について
高確率で「仕事が厳しいが大丈夫か」といった仕事の厳しさに対する質問が出てきます。どのような言い回しになるかは相手次第ですが、こちらの答え方はどのようなものでも変わりません。これに対する答えとしては仕事内容を理解した上でそれに対する超え方を示すことになります。
そのため事前に仕事内容を理解してそれに対してどう対応するかを考えるのがポイントです。経験者であれば人によって自分なりの営業スタイルも確立しているでしょう。その営業スタイルを踏まえた上でどのような対応するかを考えてそれを答えるようにしましょう。
OA機器を取り扱っているということでOA機器に関する知識や経験を聞いてくる質問も出てくる可能性は高いです。どのような質問が出るかを予測するのは難しいので何が来ても答えられるようにその知識や情報を頭に入れておいた方がいいでしょう。
まとめ
OA機器の営業への転職はよっぽどの理由がない限りはオススメできません。営業としての経験を積んだり、それに対する待遇を求めるのであれば他の営業職を探した方が安定するからです。自分が本当にOA機器の営業をしたいのか、それを考えてから転職の判断をしましょう。