電機メーカーはテレビや洗濯機といった家電や発電機や電池といった電気を利用する製品を取り扱っているメーカーです。それこそ種類としては家電を始めとして宇宙機向けの電子機器や中にはミサイル等の兵器用の機器も含まれると幅広いものになっています。
今の社会において電気はなくてはならない存在であり、電気を利用する機器も多数存在するため取り扱っている種類もメーカーによって異なってきます。では実際に電機メーカーの営業の仕事内容、求人事情はどのようなっていて採用されるには何が必要となるのでしょうか。
電機メーカーの営業の仕事内容
取り扱う種類によってその営業の仕事内容も変わってきます。電気製品として宇宙機向けのものがありますが、これを取り扱っているところであればそれを必要としている企業へと売り込みに行くことになるのです。発電機や変圧器等の重電製品になれば電力会社が対象になります。
その企業が抱えている問題を解決するためのソリューション営業というものも少なくはありません。こちらの場合は商品を売り込むのではなく自分達の取り扱っている技術、商品から相手の問題解決を促す形となります。
ソリューション営業は問題解決をしなければいけないため相手のニーズに答えるだけでなく、ニーズを聞いた上で最良の選択を選ぶ必要があります。そのためただ売り込むだけの営業と比べると本人の知識、思考力が必要です。
新規開拓をすることもあればルート営業で新規の提案をすることもあり、電気製品の提供ということでアフターフォロー、クレーム対応もしなければいけません。大手となると同じ営業の仕事でも種類によって分けられて違う種類を任せられることがあり、仕事内容がガラリと変わってきます。
電気は生活に必需品であるためそれを取り扱う企業も多数で多種多様な企業を相手にする可能性も高いです。自分の担当する仕事次第ですが、様々な企業で人脈を築くことができる可能性があるのが電機メーカーの営業の利点でもあります。
海外も当たり前
電気製品の需要は国内に限らず海外でも大きいものがあるため海外で営業の仕事が任されるのも当たり前の話です。相手は様々ですが基本的に海外の電機メーカーが出てくるためその相手の要望に答えなければいけません。海外が相手ということで相手に対応した言語が話せる必要があります。
国内とは電気製品の需要や考え方が違うためそこの文化の違いも含めて相手のニーズに答える必要があるのです。そのため難易度は国内よりも上の営業となっています。
仕事としてはどうなのか
企業だけでなくどの仕事に就くかで取り扱うもの、仕事内容が変わってくるため臨機応変に対応しなければいけないのが最大の問題点です。場合によっては同じ電機でも自分が今まで関わったことがないものが対象になるケースもあります。
どの営業であっても相手のニーズに答えるためには適切な提供ができるための電気製品への知識が必要です。単に仕様や特徴の理解だけでなく、そこから相手に提供していいかどうかも考えなければいけません。専門外のものを取り扱う場合でもその知識を詰め込まなければいけません。
実際に電気製品の成長は早く、一昔前までは携帯電話だったのが今ではスマートフォンが主流となっています。この早さにも適応して新しく知識を身に付ける必要もあり、営業としての難易度は高いといえるでしょう。
待遇について
電機メーカーの営業の平均年収は500万程度となっていて営業としては高めの数値になっています。実際は企業によって大きく変わってきて海外進出している大手となれば平均以上の年収を期待することができるでしょう。場合によっては千万越えを狙うチャンスもあります。
待遇も大手の場合には完全週休二日、有給、社会保険の手当と完備されていることが多いです。休日出勤に関しては企業だけでなく部署によって変わることもあり、同じ営業でもグループによって変わることもあります。
基本的に待遇、年収共々悪くないことが多いので仕事の難易度はありますが転職先として悪い職種ではありません。
電機メーカーの営業の求人事情
大手も意外と求人を出していることが多く、中途採用も珍しくないので求人選びに関しては問題がありません。しかし大手の求人の大半は条件が付けられていて営業の経験だけでなく特定の営業の経験が求められることが多いです。そのため未経験はこの時点で門前払いを受けることになってしまいます。
条件を満たしていたとしても大手の転職倍率は数百倍になるかなりのものであり、営業となると更に狭き門となっているのです。能力がある人間が優先されるので採用されたいのであれば実績も経験も他の人以上に必要となるでしょう。生半可なものでは通用しないと考えておいた方がいいです。
しかし大手を諦めて中小を選ぶとしても大抵のところが営業の経験がある人間を求めています。未経験が不可能というわけではありませんが、このことから未経験の方は諦めた方がいいです。目指すのであれば別の営業で経験を積んでからにした方が選択肢も増えて選びやすくなります。
実際に大手として三菱や富士通、NECが挙げられ中途採用でもよく応募しているのです。待遇はいいですがその分採用の難易度は相当なものと覚悟した方がいいでしょう。
転職に役立つ経験
他の経験としては海外進出を考えてるところは英語等での仕事経験があれば有利となります。他にもグループで活動するものとなるとコミュニケーション能力やリーダーを務めたことがある経験があるといいです。
しかしどのような経験があったとしても何より営業に対してどれくらいの経験があるのか最優先で求められます。そのため有利となる経験に関しては「営業の経験がある前提」と考えておいた方がいいでしょう。
電機メーカーの営業に採用されるには
求人事情でも書いたように何はともあれ営業の経験が必要となります。そのため別の営業へと転職するのを考えるところから始めることになるのです。求人の中には特定の営業の経験が必要となるため、そこも踏まえた事前の転職先を考えるようにしなければいけません。
電機メーカーの営業を目指すために別の営業に転職することになりますが、経験のために転職しようと考えるのはやめましょう。単に経験を積むためと考えていては営業という仕事はやっていけないからです。目標への道筋とはなりますが、その道筋も真剣に仕事できるように考えて選びましょう。
他には海外展開を考えるところは英語が問われ、特に大手となると高確率で必要としてきます。どのレベルのを問われるかは企業次第ではありますが、営業での交渉で困らないために高いレベルは身に付けておく必要があるでしょう。
向いている人はどんな人か
電気製品は年が進むにつれて新しいのが出て、その度に自分の認識も改めるようにしなければいけません。そのため電気製品に興味があって情報を追うことに苦がない人、物事を貧欲に追うのが得意な人が向いているといえるでしょう。特定の商品ではなく全体で考える必要があります。
他にも相手に合わせてニーズを考えて最適な答えを出さなければいけない関係で、そのように物事を考えることができる方も向いているといえます。気をつけたいのは相手の要望通りではなく、相手の要望を踏まえて最適解を出すことが必要な仕事だということです。
そのことから相手の要望に擦り寄ろうと考える人、相手の都合ばかり考えてその通りにしてしまう人は向いていないかもしれません。
資格や技術について
営業の経験が必要という関係で営業に関わる営業士やセールススキルといった資格があると少しは有利になります。企業が取り扱うものによりますが、重電製品関係であれば電気士を始めとした電気関係の資格があれば電気の取り扱いに対する説得力は生まれます。
もちろん営業の経験の方が大事なので、その経験を積むことを前提に資格を取得するべきかどうかを計画していきましょう。
履歴書、職務経歴書について
その企業が取り扱っているもの、自分が採用された際にどのような製品に携わりたいかを考えた上で志望動機と自己PRを書くようにしましょう。何を扱っているかを知らなければ空回りした内容になってしまい、企業としてもよく調べずに応募したとして印象が大きく悪くなってしまうのです。
大手となると取り扱っている電気製品は多数になるため、志望動機の書き方によっては「こちらよりこちらを取り扱った方がいいのでは」と駄目だしされる可能性も出てきます。その点も踏まえて矛盾が出ず「これでなければならない」と説得力が出るような内容を書くようにしましょう。
その上で今までの営業の経験と身に付けている知識や技術をアピールして「貢献することができる」というのを示すようにするといいです。知識や技術に関しては意外な内容が効果的になる可能性もあるため、些細なことでも自分のステータスからひねり出してみましょう。
職務経歴書に関しては特に営業の経験はしっかりと書いて単に経験を積んで過ごしたわけではないということを証明するように書くのがいいです。特定の営業の経験が必要とされる求人に応募する際にはその特定の営業の経験があることをアピールするように書きましょう。
面接について
志望動機と合わせて「何故自分達の企業を選んだのか」という質問が高確率で出てきます。大手となれば待遇や年収がいいですが、それを理由に答えては印象としてはあまりよくありません。企業の特徴も合わせてその企業でなければいけない理由を自分の中で考えておきましょう。
この企業を選んだ理由に関して面接によっては角度を変えた形で出ることもあります。質問の内容によっては答え方を変えなければいけない時も出てくるため臨機応変に対応しましょう。逆に言えばこの質問はその対応力を見極めるためのものでもあるといえます。
他には失敗に関わる質問もしてくることが多いです。実際に電気製品を取り扱う上で失敗する可能性は出てくるため、その対処はどうするかを見極めるための質問となっています。どのような質問が出るかは相手次第なために、質問の内容から今までの経験を参考にして答えを出すしかありません。
海外が視野に入っている場合は海外に関わる質問が出てくることもあります。どのような質問が出るかを予測するのは困難なので、何が来てもいいように対策をしておきましょう。
まとめ
大手の倍率と条件、営業の経験が必要と転職としては敷居が高いタイプになっています。運が絡むところもあり、いつまで経っても転職できない事態に見舞われてしまうこともあるのです。こうなってしまっては運が悪かったと思うしかなく、それ程の事態になる世界ともいえます。
営業の仕事において待遇や年収がいいとされる種類は他にも存在するのです。そういう意味では無理に狙う必要はなく、狙うのであれば電気製品を取り扱うことに対する信念、貧欲さが必要となります。
営業の経験を積む際にはその仕事をしている際に本当に電機メーカーの営業を目指すかどうかも改めて考えるようにしましょう。