家に限らず何かしらの建物を作るには材料が必要で、その材料を建材と呼びます。建物に使われる建材は様々であり、それを提供するのが建材メーカーです。建材は作ったとしても利用してもらわなければ意味がないため、そこで営業の出番となります。
では実際に建材メーカーの営業の仕事内容、求人事情はどのようなものであり採用されるには何が必要となるのでしょうか。
建材の営業の仕事内容
建材メーカーの営業の仕事は当然ですが建材を必要とする相手に販売することです。しかしそれだけでなく利用する職人の方達と対話して情報を得るのも仕事になっています。建材を利用することによって発生したトラブル、アフターフォローも含まれるのです。
仕事先としては建材を必要とする工務店やハウスメーカーが主な営業相手となります。営業相手とはいいますが、場合によっては販売目的ではなく顔出し、情報収集を目的として行くこともあり、それを参考にして適切な建材の提供をするのです。
基本的にはルート営業ですが時には飛び込みで新規開拓の営業をするケースもあります。しかし他の営業に比べると建材メーカーの繋がりというものがあるためか新規開拓でもそれ程難易度が高くなるわけではありません。新規開拓の割合は企業によっても異なるでしょう。
仕事の割合もどこの企業に所属するか、何が任されるかで変わってきます。ショールーム系列のイベントに頻繁に参加させられることもあれば、現場に向かってトラブルや交渉の対応をする割合が多いこともあるのです。
住宅関係の営業は個人を相手にすることが中心でしたが、こちらは建材を必要とする企業、店舗に提供するので法人を中心に営業することになります。
仕事としてはどうか
どこの企業を選ぶかで仕事の難易度も変わってきますが、ルート営業が多くなるのでそれほど高くはありません。新規開拓も面識のない人間達を相手にするため難易度は上がりますが、他の営業程ではないです。ノルマについてもルート営業の割合が多ければそこまで厳しいものではないでしょう。
しかし建築関係の仕事ということもあり、仕事自体は住宅の営業と同じように激務になるケースが多いです。労働時間が8時間以上になるケースも当たり前で営業が終わった後でも事務処理をしなければいけないため、平気で深夜近くになります。この点に関してはどれくらいかも企業で変わるのです。
仕事としては建材メーカーでも単に素材を取り扱っているところであればそこまで難しく、激しくないことが多くなります。逆に建材でも建具や水回りが対象になると客との交渉や調整もしなければいけないため難易度が上がり、仕事としても厳しくなるのです。
待遇、年収について
待遇としては住宅営業等と同じように休日があってもそれを返上して出なければならないケースが存在します。これも企業によって違いがあり問題なく取れるところもあれば、ほとんど休日があってないようなものと感じるところもあるでしょう。求人の待遇どおりにならないこともあると考えた方がいいです。
年収に関しては仕事をする企業はもちろん、自分がどれくらいの能力を持っているかによっても異なってきます。建材メーカーの建材は国内だけでなく海外の物も利用するため、海外の企業相手に交流する力も求められます。そのため海外営業ができる能力があればない人間より年収も高くなるのです。
能力によって大きく変わってきて一般であれば400万か500万程度ですが、能力が高ければその倍以上を目指すことも不可能ではありません。高い年収を狙うのであれば相応の営業ができるスキルが必要となります。しかし一般でも営業以外で仕事をする場合に比べると年収が高くなることが多いです。
建材の営業の求人事情
求人に関しては中途採用も含めて頻繁に出ていて、更に人手不足に悩んでいることもあるため転職倍率はそこまで高くありません。しかしこうした転職倍率が低い企業となると住宅関連と共に離職する人間が多いので人員補充目的で出しているところもあります。離職率が高いところは問題がある企業、ブラックである可能性が高いです。
そのため転職するのであればこのようなブラック企業は避けるようにして探しましょう。ブラックでない企業は転職倍率は多少上がったとしてもそれ程のものではないのでそこまで難しくありません。企業研究はしっかりとして企業を選ぶようにしましょう。
未経験を採用する求人も多いですが、当然未経験も求めるとなると人手が足りないので人員補充目的である可能性が高いです。しかし場所によっては人員補充でも決して悪い環境であるとは限らず、未経験でも経験を積むチャンスがあります。問題がないかどうかを見極めて選びましょう。
仕事の内容によって難しさも変わる都合で、その内容を確認しておきましょう。未経験の場合には簡単な部類のがよいですが、経験を積むという目的であれば多少難しいのを選ぶという手もあります。自分の目的に応じて仕事を選ぶようにしてください。
転職に有利な経験
建材を必要とするのは建築業界の方々であるため、その建築業界で仕事をしたという経験は確実に有利になるでしょう。営業の経験がある場合でも住宅、不動産関連の営業があれば家を取り扱う経験があるので有利になる可能性があります。
また、この業界は単に販売するだけでなく相手との対話が特に大事な仕事です。そのため普段から相手と何かしら対話する必要がある仕事をしていてもそれが有利に働く場合があります。
建材の営業に採用されるには
法人を回るという関係で大抵のところで自動車免許の所持が求められます。企業によってどのレベルが求められるか違いますが普通で大丈夫なところも多いので最低限普通自動車免許の所持はしておきましょう。
一方で建材メーカーでは能力がある営業を求めています。海外の営業を視野に入れていないところでも知識を活かした営業、技術営業をしているところが多いです。そのためまずは建材に関わる技術、知識を身に付けるといいでしょう。
どちらにしても建材業界に関わるのであれば建材に関する知識は持っておいた方がいいです。基本的なことを知っているだけでも企業側の印象は変わってくるので基本だけは調べておきましょう。情報に関してネットはもちろんですが、専門の書籍を利用するのもいい方法です。
海外営業を視野に入れているのであれば語学力が求められます。基本的に英語となりますが、全ての企業がそうとは限らず中国語等を求めるケースも存在するのです。流石に複数の言語を理解するとなれば相当な時間がかかってしまうので、自分なりに方向性を決めて学習するようにしましょう。
転職するに有利な資格
建材を扱うのであれば建築に関係する資格があると有利になります。建築関係の資格としては建築士が考えられ、国家資格でもあるため信頼性も高いです。1級・2級・木造と分けられていますが、建材メーカーの営業を目指すのであれば1級か2級を目指すことになります。
しかしこの建築士は誰もが取得できるものではなく、受験するには条件が必要です。1級は2級建築士の取得を資格した上でその実務経験を重ねなければいけず、取得どころか受験を受けること自体が一筋縄では行きません。
2級の方も国土交通大臣が指定する科目を修めて卒業するという学歴が必要となり、建築実務も7年以上という条件が課せられています。このことから転職で取得するとなれば時間もかなりかかり、ハードルも相当なものです。このことからあれば有利にはなりますが無理して狙わない方がいいでしょう。
他にはインテリアコーディネーターもあると建材利用の知識に関わる信頼性が高くなるので有利となります。意外となものとしては事務処理ではパソコン利用が当たり前になるため、ワードやエクセルといったパソコンに関わる資格があると有利になることがあるのです。
向いている人はどんな人か
建材メーカーの営業のほとんどの仕事は相手と対話、交渉をすることです。そのためどのような相手であっても話しを進めることができる人が向いているといえます。しかし単に円滑に進められる、というわけではなく話しをしてお互い無理なく気持ちよく話せることが理想です。
その意味では話を進めることができるのに加えて、どのような相手でも不快にさせないように会話ができる人が該当します。もちろんそれだけでは営業の仕事にならないので、営業として割り切って仕事ができるという切り替えができる人も向いているといえるでしょう。
履歴書、職務経歴書について
建築業界に関わることになるので、建材はもちろんですが家に対する興味をどれだけ出せるかがポイントになります。しかし建材メーカーの営業はどこの企業に携わるかで仕事も変わってくるので、的外れにならないように気をつけましょう。企業研究はこのためにもする必要があるのです。
気をつけたいのは住宅といった他の営業の存在で書き方によっては「建材ではなく住宅等の営業でいいのでは」と思われてしまいます。選考される可能性が下がってしまうので、建材メーカーである理由もを建材に関する内容も含めてアピールしましょう。
職務経歴書に関しては建築、不動産関係の経験があればそれを細かに記載します。ない場合には自分のコミュニケーション、対話力で貢献できるとアピールするように必要、重要だと思う経験を重視して書くといいでしょう。
面接について
企業によっては基本的な質問で終わることもあれば建築、建材に関わる質問をしてくる場合もあります。基本的な質問の対策をしておくのは当たり前ですが建築、建材の質問が出ても答えられるように対策しておきましょう。特に資格や経験があれば高確率で出てくる可能性が高いです。
それと意外と気をつけたいのがマナーであり、仕事の内容が他人との対話、交渉でマナーを大事にするものなので重視して見られる可能性があります。マナーができているかどうかで採用されるかどうか変わる可能性もあるので面接のマナーに関しては再び勉強しておくといいでしょう。
まとめ
どこの企業で仕事をするかで環境が変わり、自分に合っているかどうか変わってきます。厳しいところが経験になっていいと思う人もいれば、緩いところの方が自分に合っていると思う人もいるでしょう。転職は自分で考えるものなので、企業研究と建築業界の情報を収集して自分に合うところを選ぶようにしましょう。