今の社会ではコンピュータとそれを利用した通信技術が当たり前の時代となりました。このコンピュータと通信の技術の総称をITと呼び、こうしてネットで情報が見れるのもこのITの技術のお陰です。その発展もあってかITをビジネスとした企業も多く出てきました。

コンピュータの世界ではありますがこのITを取り扱う企業でも営業の概念は存在します。そんなITの営業の仕事内容、求人事情はどのようなものであり採用されるには何が必要なのでしょうか。

ITの営業の仕事内容

IT企業の営業は大まかに分けて3種類の仕事が存在します

派遣営業

その名の通りに技術者を必要とする企業に社員を派遣することであり、物ではなく人を売り込むという珍しいタイプの営業です。その内容から営業先は同業他社になることが多くなっています。

この派遣営業は特に中小企業がメインとしてしていることが多く、中小企業を選んだ場合はこの派遣タイプの営業をさせられると考えてもいいでしょう。同じ業界の企業を相手にするため相手も協力的で仕事がしやすいタイプですが、その一方でトラブルも起きやすく、今も問題になっています。

企画・提案型営業

こちらは他の営業と同じように相手の問題を解決するために話を聞いて、システムやソフトウェアの提供をする仕事です。システムやソフトウェアの開発をするエンジニアと顧客の仲介役を果たすことになり、場合によっては規模も大きくなる可能性があります。大抵は相手の希望は決まっているのでそれに合わせて提案することが多いです。

提案と調整をする関係で他のタイプに比べるとITに関わる知識が必要となります。時には営業だけでなくエンジニアを同行させて交渉をするケースもあるのです。

パッケージ・サービス販売

こちらは通常の営業に近いタイプであり、ソフトウェアを始めとした物品として存在する商品を売り込む仕事になります。仕事先としてはソフトウェア等を取り扱っている販売店や企業となるのです。アポイントはもちろんですが、時には新規開拓として飛び込みで仕事をすることもあります。

ITの営業ということで直接相手を訪問するのではなくパソコンを利用して相手をするケースもあります。この場合は基本的に相手のサイトからメールを送信してセミナーの告知や販売を行うのです。このタイプは技術よりも提供するものの知識や説明をすることがポイントで他に比べると営業としての力が問われるものになっています。

仕事としてはどうなのか

どのタイプの営業をするか、自分の能力によっても難易度は変わってきます。派遣営業の場合は同業他社が相手にもなるので、その手の知識には詳しく、交渉も進めやすいです。そのため他のタイプと比べると仕事がしやすく難易度もそこまで高くありません。

しかし一方でトラブルの問題もあり、その対応をしなければいけない点があることは事実です。契約に対する問題もあるため場合によってはそこに神経を尖らせる必要があるでしょう。そういう意味では難易度は高くなくても、精神的には負担がかかりやすいタイプといえます。

企画・提案型はITに関する知識がなければいけないので3つのタイプの中では一番難易度が高い仕事です。今ではITが社会に根付いてますが、それでもITに関して詳しく知らないという企業も存在します。そのような方を相手にするには仕組みにして説明をしながら上手く交渉していく技術が必要になるのです。

逆に詳しい人間の場合にはこちらも相応の知識や技術がないと交渉を上手く進めることができません。このように知らない、詳しいどちらでも一定以上の能力は必要となるのです。ERPという経営業務の効率化を図るシステムの導入も多くなっているため、単なる技術だけでなくそちらの方面の知識も必要となってきます。

パッケージ・サービス販売はITの技術がそこまで必要でない分営業としての比重が高くなるため、営業力があるかどうかで難易度が変わってくるのです。人によって他の2つよりも容易く、難しくと感じ方が違ってくるでしょう。

待遇、年収について

どこの企業で仕事をするかによって違いが出てきますが、基本的に年収は中小でも大手でもよいことが多いです。年収は他と同じく年功序列で世代が上がることに増えていきますが、この業界は若い世代でも高年収をもらうことも可能になっています。これはIT業界というものが若手の力で成長したことが要因です

企業や仕事にもよりますが海外営業がなくても年収千万越えを目指すことは十分に可能となっています。しかし年収が基本的に高い一方で待遇に関しては問題があります。というのもITは仕事量が多く、営業の方もそれに応じてノルマが多くなりやすいのです。

残業が当たり前にもなっていて、場合によっては休日を返上して仕事をしなければいけないケースもあります。これに関しては企業によってその度合いが異なるので待遇や年収を考えるのであればその点も踏まえて選ぶようにしましょう。

ITの営業の求人事情

一時期に比べると落ち着きましたが、まだIT業界が人気があるのは確かであり求人数も他の営業と比較すると多く掲載されています。中途採用が出ているところも多いため、探すのに苦労はしないでしょう。転職倍率に関しては企業によって変わってきて、場所によってはそれ程無理もない倍率となります。

しかしマイクロソフトやグーグルを始めとした有名な企業となると話は別であり、その倍率は凄まじいものになるのです。能力も必要であるため未経験はとてもではないが太刀打ちできず、能力がある人間でもある程度運が必要となってくるでしょう。

有名なIT企業を目的とする方も少なくはないと思いますが、その場合は転職期間が長くなるのを覚悟して望んでください。少しでも確率を上げたいのであれば他へと転職して技術、経験を磨くしかないでしょう。

ブラックの多いIT企業

一方で求人を選ぶのであればブラックかどうかも確認する必要があります。というのもIT企業はブラックが多い業界の1つとされていて、その情報もネット上で様々なものが出されているのです。多いということはその分引っかかる可能性が高く、情報の世界ということで選ぶ側もしっかり情報を集めて判断する必要があります。

ブラックかどうかの見極め方としては営業ではなくエンジニアがどのようになっているかがポイントです。ブラックでの悲惨な話はエンジニアから出てくることが多く、彼らの情報を見ればその企業がブラックかどうかを判断することができるということになります。

確認する情報としてはエンジニアの滞在年数、福利厚生等の待遇といったものがありどちらかに問題があればブラックである可能性が高いです。エンジニアだけでなく仕事も下請けだけでなく自分達で独自の仕事をしているかどうかも確認しましょう。

未経験のIT営業

仕事内容を見れば分かるように未経験でも有名な大手だと無謀ですが、そうでない企業であれば十分採用される可能性はあります。むしろ営業未経験でも過去にIT系の仕事の経験があれば、知識と技術の理解があるということで営業の経験があるよりも採用される可能性が高いです。

パソコンを利用する仕事であるので、パソコンに関わる仕事の経験があればITの仕事程ではありませんが多少は有利になるでしょう。しかしやはりIT、営業経験者の方が有利になるということだけは理解して転職活動をしましょう。

ITの営業に採用されるには

ITは情報世界であるため、IT企業に関わる情報は理解しておいた方がいいでしょう。面接対策になるのはもちろんですが、仕事をしていく上でも情報があるかどうかでその効率も変わってくるからです。有名な大手は存在しますが、漠然とした情報しかない方はより詳細に調べていくようにしましょう。

もちろんITに関わるのであれば知識を身に付けることも必要です。営業の仕事によってはそこまで必要ありませんが、知識があるのとないでは交渉の効率も代わってきます。何より知識があればその分任せられる仕事の幅も広がるのです。

パソコンが必要不可欠な世界なので、パソコンに触れたことがないという転職者はまずパソコンについて知ることから始めましょう。これに関しては書籍はもちろんネットでも多くの情報が出ているのでそこまで時間も手間もかかりません。

転職に有利な資格

IT系ということでIT、パソコンに関わる資格があるのがいいです。IT系の資格としては基本情報技術者やITパスポート、ITストラテジストといったものが存在します。ITストラテジストは最高峰で難易度も高いため無理に取る必要はありませんが、最低限基本情報技術者は持っておいた方がいいでしょう。

ITパスポートもいいですが基本より難易度が低く取得が簡単なので、今のIT業界ではそこまで価値があるものではありません。基本情報技術者は難易度が低いわけではありませんがある程度の時間をかければ取れる資格です。転職を考えるのであればその取得も視野に入れて計画を立ててみましょう。

パソコンに関してはワードやエクセルの資格であるMOSがあります。こちらも持っていないのであれば取得を考えた方がいいです。

IT営業に向いてる人は

ITの世界は情報の世界であり、しかもその情報の変化が早く少し時間が経てばもう新しい情報が根付いている世界です。そのため普段から情報を追うのが好きな方に向いているといえます。情報以外にも技術に関して興味がある、という方にも向いているといえるでしょう。

情報、技術どちらも自分の頭に入れるには日々学習が必要です。そのためそれらに興味がなくても勉強熱心という方もIT営業に向いていると考えられます。

履歴書、職務経歴書について

情報世界ということで具体的な根拠のある内容が必要で曖昧に書いては伝わらないどころか「情報を伝えられない」人間として逆効果になってしまいます。履歴書を書くのであれば曖昧にかかず、明確に記載すべきデータはしっかりと記載するようにしてください。

志望動機や自己PRに関してはパソコンやITに関わる技術、経験があればそれをアピールとして利用しましょう。それらがなくアピールできるものがない場合は、転職までの間に自分がIT転職をするために努めたことを記載するといいです。特に資格取得を目指したのであればそのことについて書くのがいいでしょう。

応募する企業に応じた内容も加えるのを忘れてはいけません。その企業の指針と的外れな内容を書いてしまえば企業研究、情報収集がなっていないとしてマイナスの印象になってしまいます。

職務経歴書に関してはIT、パソコンに関わる仕事をしていればそれを重視して数字もできるだけ利用して書くようにしましょう。そのためには過去の仕事についての情報をまとめて、そこから詳細に記載するようにするのがいいです。

履歴書をパソコンで作る

パソコンを利用するのが当たり前の世界なので、履歴書を作成するのにパソコンを利用するのもいいです。パソコンであれば修正も楽であり、自分で欄ごとのスペースを自由に設定できるオリジナルのを作成することもできます。手書きをするより楽なのです。

何より履歴書をパソコンで作ることで、履歴書を作るぐらいのパソコンの腕はあることをアピールすることができます。しかし気をつけたいのは作るのであればしっかりと自分で1から作り、ネットにあるテンプレートは極力利用しないようにしましょう。テンプレートでは「楽をした」という印象の方が強くなってしまうからです。

面接について

エンジニア等ではなく営業を選んだ理由は必ず聞かれます。他の職種で十分と思われないように、ITの営業である理由を志望動機も絡めて考えておきましょう。その際に追加の質問で突かれるところがないように対策しておいてください。

過去にITの経験があればそのIT関係に絡めた質問も高確率で出るでしょう。ここで適切な答えができるかどうかでこちらのITに関わる本気度を見極められるので、これも含めて復習をしておいた方がいいです。

しかし中には以前の仕事で触れなかったものが出てくる可能性もあるので、そのケースの場合は知らない、触れなかったを趣旨とする内容を答えるといいでしょう。

中にはIT業界に関わる質問が飛び出てくることもあります。これに関しては明確な答えがないことが多く、どう考えているかを見るための質問であることが多いです。対策をすることは難しいですがIT業界に対して考えることは面接前に可能なので、自分なりの考えを持っておきましょう。

まとめ

IT業界の問題として今は元気ですが、今後の展開によっては衰退して営業の仕事にも影響が出てくる可能性があります。情報の流れが早い故に将来的に安定しているとは限らず、下手をすれば営業という仕事自体がなくなる可能性もあり得るのです

今後どうなるかは分からないので、IT系の営業に転職する方はそのような不安定な部分、衰退する恐れがあることを理解した上で考えましょう。