パソコンがハードウェアであれば、ソフトウェアはそのハードウェアを動かすために作動する存在です。現にコンピュータはプログラムが構築されていないと作動できず、何の意味も置き物になってしまいます。そのコンピュータを動かすためにソフトウェアが必要なのであり、乱暴にいってしまえば「プログラムの塊」となります。
それ以外にもアプリケーションソフトとしてクリックすることで起動するのもソフトウェアであり、こちらの方が一般としては馴染みが深いでしょう。現にマイクロソフトが提供しているワードとエクセルもソフトウェアの一種です。これらの登場によって、社会全体での仕事の効率が大幅に上がりました。
このような存在であるためソフトウェアを取り扱うのはビジネスになる存在であり営業の仕事も存在します。ではソフトウェアの営業の仕事内容、求人事情はどのようになっていて採用されるには何が必要なのでしょうか。
ソフトウェアの営業の仕事内容
簡単に予想できますが、自分達が取り扱っているソフトウェアを必要とするところに販売するのが仕事になります。しかしソフトウェア営業の場合はこの販売よりも、企業から依頼されて望み通りの物を作ることになることが多いです。実際に利益としてはこの依頼を持ってくる方が大きいので、営業としてはこちらに力を入れることになるでしょう。
依頼を持ってくるタイプは顧客だけでなく、ソフトウェアを制作する技術者達とも交渉する必要があるので仲介役のような役割を果たします。
仕事としてはどうなのか
難しいです。難しいとは言いましたが、その難しさは営業としてよりも技術者的な難しさがあります。販売する、依頼を持ってくる、どちらもその取り扱うソフトウェアに対する知識が必要となるからです。
更に制作の依頼を持ってくるとなると、今度は顧客、制作する技術者の双方の意見を聞いて進めなければいけません。最悪の場合は制作する側、プログラマー達とトラブルになって人間関係が悪化する恐れもあるのです。このプログラマー側の意見も理解するために技術を持っている必要があります。
しかし依頼によっては時にプログラマー達に酷なことをさせる必要もあります。そうなれば相手から恨まれることになるので、それをフォローすることも必要です。そのため技術者の知識と情報を持ちながら、しっかりと人間関係のことも考えなければいけません。
他にもコンピュータの世界の進歩は早いので、少しするとソフトウェアの制作方法も変わる可能性があります。営業も取り扱う商品であれば理解しないといけないので、その進歩の流れに乗り遅れないようにする必要もあるのです。
待遇、年収について
年収はどこの企業でどのような仕事をするかで大きく変わってきて、その幅が大きいものになっています。三百万程度と低い年収になることもあれば、依頼を受けるタイプの仕事で実績を出していき千万超えることもあるのです。しかし、実際に高額年収を狙えるチャンスはそこまで多くないので「可能性がある」という程度に考えておきましょう。
そのことを考えるとチャンスはあるが高年収になる可能性はそこまで高くない、ということなります。むしろIT系統の仕事ということもあってか、低くなる可能性の方が高いです。将来的に高額が狙えても、最初の何年かは苦しい低収入を味わうことになるでしょう。
一方で待遇はこちらも企業によって大きく変わってきます。しかしIT系統という職種なためか悪くなることが多いです。それでも長時間の残業が当たり前で、休日も削られるプログラマーよりはマシというケースも多くなります。
年収も待遇も企業によって異なり、自分の仕事次第になるのがIT系統として存在するソフトウェアの営業です。
ソフトウェアの営業の求人事情
IT系列で専門の求人サイトもあるので探すのは難しくありません。しかしIT系列ということでブラック企業が一定以上あることは確かです。そのためブラック企業に引っかからないように企業研究をして問題があるかどうかの判断をしましょう。
一言でソフトウェアの開発と称しても何を制作しているかは企業によって変わります。その制作しているものによって必要とする技術も変わってくるので、自分が所持している技術と照らし合わせて応募して問題ないかどうかを確認しましょう。
未経験でも応募できるところはありますが、そのようなところは大抵が年齢制限を設けて若い世代でないと不可能にしているケースも珍しくありません。応募資格を見て何歳までが可能かを確認しておきましょう。とはいえ若い世代でない場合は技術と経験を活かさないと生き残るのは難しいでしょう。
経験によって適切な企業も違うので、転職エージェントを利用するのが効率的です。とはいえ自分がどこを希望するかも考えておきましょう。
ソフトウェアの企業について
ソフトウェアで有名な企業としてはやはりマイクロソフトの存在は外せないでしょう。仕事やプライベートでマイクロソフトのソフトウェアを利用しているという方も多いと思います。過去に比べると多少その力が落ちてはいますが、それでもまだ「敵なし」なのは健在です。
それだけに待遇、年収共に保障されていて離職率も低い優良企業でもあります。しかし有名かつ優良となれば、その転職倍率はかなりのものになり簡単に採用されることはありません。少なくとも相応の能力、経験が求められると考えていいでしょう。
マイクロソフト以外にはオラクルやシマンテックがソフトウェアの大手として有名です。特にシマンテックはウィルス対策ソフトでお世話になっている方もいるでしょう。しかしマイクロソフト程ではありませんがどちらも転職倍率が高く、入社は困難です。
ここまで見れば分かるように基本的にソフトウェアの大手は外資系ばかりになります。外資系はチャンスがありますが、その分実力を出せなければ容赦はないです。転職するのに相応の能力と経験が必要なのは入社だけでなく、入社した後の仕事も同じとなります。
未経験はどうするか
未経験でも応募ができる企業はありますが、当然入社した後はしっかりと技術面を学んでいく必要があります。そのためプログラム方面が苦手な方はその時点でやっていくのは難しいです。営業であっても自分がプログラムを学んでいけるかどうかから転職するかどうかの判断をしましょう。
できれば実際に営業以外のIT系で仕事をした経験を持った方がいいでしょう。経験があれば選択肢も広がり、その分良い企業を選べる可能性も高くなります。
転職に有利な経験
IT関係の技術職の経験があれば有利になることは間違いありません。しかし企業によって必要とする技術が変わるので、それに合わない経験の場合は思ったより効果が出ないこともあります。それでもプログラムの経験があるということで、ない人よりも有利にはなるでしょう。
ソフトウェアの営業に採用されるには
とにかくプログラムについての知識、技術を身に付けることを考えることになります。IT系列には様々な資格があるので、その資格の取得を兼ねて勉強すると効率がいいでしょう。プログラムの種類は様々で、どれを学ぶのがいいかという正解はありません。
そのため企業研究をして幅広く使えるのを狙うか、自分が転職先として想定する企業を参考にして決めるか考えましょう。もちろん学ぶとなれば相当な時間が必要になり、経験がない人間であれば場合によっては1年以上かかる可能性もあります。長期的な転職活動になることを覚悟しましょう。
大手を狙うのであれば独学で学んでいるだけでは不十分であり、実際に仕事をしたことによる実績も必要となります。最初は営業職を狙うのではなく、技術者として転職することを考えましょう。もちろんこの場合でも転職先を考えたことによる企業を選んでください。
販売ではなく開発の営業としてやっていくのであれば顧客と技術者の板ばさみとなるので、かなりストレスが溜まります。そのためストレスを溜めないようにする対策も考えておいた方がいいです。
転職に有利な資格
ソフトウェアに携わるということで、ソフトウェア関連の資格があると役に立つでしょう。資格としては応用情報技術者、ソフトウェア品質技術者といったものがあります。どちらも資格をするのに条件がないので、誰でも受けることが可能です。
品質の方はそれ程難易度が高くありませんが、応用情報の方は難しくなっています。単に取得をするのであれば品質の方がいいですが、アピールとしては難しい応用情報の方が効果を発揮するでしょう。この辺りは自分の転職先を見据えて判断するようにしましょう。
向いてる人
営業でありながら技術者でもあるので、新しい情報を吸収できる知識、技術に対して積極的に慣れる人が向いているといえるでしょう。営業の技術も必要ではありますが、ソフトウェアに関わる知識と情報があればなくてもある程度カバーすることができます。
逆に相手のことを考えすぎてしまう人間は向いていないといえるでしょう。技術者達との連携が必要なので一見適切だと考えられがちですが、依頼によっては非情にならないければいけないので、それができない人は向いていないのです。しかしあまりにも他人のことを考えない人も向いていません。
後はストレスを溜める仕事にもなるので、我慢強くて溜め込まない人間が向いているといえます。我慢強くてもストレスを発散できないと、それが爆発する恐れがあるので、単に強いだけでなく上手く付き合える必要があるのです。
履歴書、職務経歴書について
単なる技術者としてでなく、営業で入社することになるので営業でなければいけない理由を提示する必要があります。ソフトウェアの営業がどのような仕事をするか、そこから自分の意欲と合わせてアピールするようにしましょう。企業によっても内容が変わってくるため、企業研究も忘れずにして、それに関連した内容にしてください。
過去の経験とそこから営業に興味を持った事柄に関してエピソードがあると、より分かりやすく印象に残ります。その企業が取り扱っているソフトウェアを話に出してもいいでしょう。もちろんその場合は「営業でなくていいのでは」と、思われないよう内容に気をつけてください。
職務経歴書は特に大事であり、IT関連の経験があればそれをどう相手に伝えるかがポイントになります。どれだけ凄い実績があっても伝わらなければ意味がありません。数字はもちろんのこと、用語も適切に加えて形式を整えて書くようにしてください。
面接について
質問の内容は企業によって大きく変わってきます。技術も必要になるので未経験でない場合は、そのソフトウェアの技術に関する質問が出てくる可能性も高いです。過去の経験から考えて答えを考えましょう。
マイクロソフトを始めとして、大手になるとかなり変わった質問が出てくることもあります。何が出るか分からない以上、事前の対策をすることは不可能に近いです。仕事の経験はもちろんですが、今までの人生も振り返って自分なりの答えを考えるようにしましょう。
もちろん基本的な質問も出てくることは間違いないので、技術関係を始めとした特異な方向の対策ばかりして、そちらの対策ができていない、ということにならないようにしましょう。
全体的に本人の考え、構想を聞いてくる系統が多くなるので「知識がある上で、どのような考えを持っているか」を聞かれることになります。面接に落ちたとしても有意義な経験にはなるので、今後の転職活動の糧にさせてもらうといいです。
まとめ
企業と実力次第で高年収、待遇を狙うチャンスはありますがよぼとの実力がなければそれも難しいです。そのため営業としても狙うのであれば未経験よりしっかりと経験と能力を身に付けてからいくのをおすすめします。大手は転職先の最終目標として指針を立てるのもいいでしょう。
一方で若い世代は未経験でも取ることが多いので、チャンスを狙って転職するのも手です。しかし仕事は厳しく、未経験でも容赦されないのでそこは覚悟しなければいけません。
技術の業界ということで人によって向き不向きが異なる世界です。向いてる人間にはチャンスがある世界であり、誰もが転職先の営業として不適切ではありません。この点は適正があるかどうかも調べてから考えて判断するといいでしょう。