営業の場合はスカウトやヘッドハンティングという方向がありますが、基本的に転職をするのであれば求人を見ていくことになります。求人に掲載されている情報を見てどのような営業の仕事か、待遇はどうかを見て判断していくことになるのです。

しかしこの求人情報は必ず鵜呑みにしていいものではありません。営業に限った話ではなくこうした求人は「本当のこと」を書いていないケースもあるからです。そのため採用されて始めて「話と違う」と判明するケースも存在します。

では実際に営業の求人の場合は嘘に関してどのような内容、実態になっているのでしょうか。その上で嘘を見破っていくポイントとしてどのようなものがあるでしょうか。

求人の「嘘」について

営業の求人の嘘の中には他の職種でも同じようなケースがある共通の嘘も存在します。分かりやすい例が仕事の内容についてであり、実際に採用されると求人で書かれている仕事以外にも任されるというものです。特にこれは人材不足で余裕がない企業で課せられるケースが多く、離職率が高い営業職となれば手口として使われる可能性は高いといえます。

営業の仕事のはずなのにどことなく「簡単」にできるように書かれている場合はこのケースである可能性が高いので気をつけた方がいいでしょう。他に分かりやすい箇所としては給料に関わる情報の嘘が多く、大抵の場合が実際に採用されると記載されている給料より少ない、というケースです。

このケースの場合はストレートに騙してくることもあれば、基本やら手当やらと幾つものの言葉を統合して誤魔化そうとする場合もあります。営業の場合は実績によって給料が変わってくることもあるため「最初だからしょうがない」と騙されてしまう可能性が高いです。

給料に関しては残業代の件もあり、求人で記載されていても実際は支払われないという嘘もあります。営業はその仕事の都合で労働時間がまばらになるケースもあり、それによって労働時間が長くなってしまうこともあるのです。実際に営業でも時間を過ぎれば残業手当は出さなければいけないことになっています。

しかし営業の場合はみなし労働時間、外出して仕事をするために正式な労働時間が曖昧になりやすいという点もあって誤魔化されるケースもあるのです。この曖昧になりやすいお陰で企業側として相手が求めてきてものらりくらりと誤魔化せる仕組みになってしまっています。

この労働時間に関しての嘘があることも多く、記載している時間以上に実働しているというケースは営業に限らず多々あるのです。営業は先に書いた時間による件もあって尚のこと誤魔化されやすくなっています。これに残業の件が加わることで巧妙に誤魔化している場合もあるのです。

労働に関しては休日の話もそうであり、土曜日曜が休みとされていても土曜だけが休みでないというケースが存在します。営業は仕事によって休みの日でも緊急で仕事をしなければいけないケースがありますが、それは緊急であり休日自体はしっかりと存在するのです。その緊急を無視して仕事をしなければいけないケースとなっています。

これの最悪のケースはあれこれ理由を付けられて「休みなし」で働かせる場合が存在することです。こうなってしまえば「過労死」というものが現実になってしまう日も近くなってしまうでしょう。

営業の求人は「嘘だらけ」なのか?

残念な話ではありますが、こうした求人というのは営業に限らず嘘が記載されていることが多いのが現実です。求人が出される目的は企業側が人員補充したいものであり、求人市場は企業同士の一種の競争でもあります。しかしそれが度を行き過ぎて「とにかく来て欲しい」ことだけを重視して嘘を書いてしまうということがあるのです。

営業の世界は離職率が高く特定の仕事になると「とにかく補充したい」という目的で嘘だらけの求人を出すところも珍しくありません。特に未経験を歓迎しているとされる求人は可能性としては高いので気をつけた方がいいのです。経験者募集の場合は可能性は下がりますが、存在する可能性はあるのでこちらも気をつけましょう。

こうした求人による嘘がまかり通ってしまっている原因は今の求人、労働に関する環境にあります。実際に求人を記載する際には法律で禁止されている事項は決まっていますが、これが後付けの説明でどうにでも弁明をすることができてしまうのです。

もちろん労働の問題に携わる人間の怠慢があるのも大きな問題と考えていいでしょう。現にそのような組織が「しっかり」と動いてくれればブラック企業を始めとした数ある問題は手早く解決している可能性が高いのですから。そういう意味では正直「異常」と称しても否定はできない話です。

大変残念な話ではありますが、今の状況ではこうした嘘だらけの求人をなくすことは不可能に近い話となっています。転職活動を真面目にしている人間からすれば非常に腹立たしい話と思いますが、今はそれを理解して立ち回るしかないのです。

嘘を見破り求人を探すポイント

求人を掲載している企業も様々でその嘘もあの手この手で巧妙に出してくるため確実に防ぐのは難しい話です。しかしこうした嘘もポイントを抑えれば判断することができ、引っかかる確率を下げることができます。探していくのであればこのポイントを抑えていく必要があるのです。

求人を探す場所

営業の求人をどこで探すか、この時点から求人の嘘に引っかからないようにできるかどうかは始まっています。求人が掲載されているところは様々ですがそれぞれに特徴があり、それによって嘘に引っかかりやすいかどうかも変わってくるのです。

最も引っかかりやすい、嘘が記載されているのはハローワークとなっています。ハローワークは公共の施設であり、多くの求人が集まってくる場所です。しかしその多くの求人の中にはブラック企業であることが多く、そのために求人に嘘が紛れる可能性も高くなっています。

この原因としてハローワークは掲載を依頼された求人は基本的に断らないことになっているため、求人に嘘を書くような企業も平気で募集することができるのです。こうしたシステムになっている都合で転職においてはハローワークは利用しない方がいいということになっています。

逆に転職サイト、それも専門としているサイトであれば求人の質も上がり引っかかりにくいです。このようなサイトは求人にチェックを入れて問題があると見れば落として拒否してくれます。この拒否による問題があるためハローワークに比べて良質な求人が集まりやすいのです。

しかし企業もあの手この手を尽くすためサイトを運営する側も必ず見抜いて落とせるわけではありません。そのため「ここなら嘘の求人の心配はない」というのはあり得ないので気をつけましょう。

それでも万全にしたい場合は転職エージェントを利用すればエージェント側が探してくれるため確実性が上がります。こちらの場合は嘘はともかく自分の望む営業の求人を持ってきてくれるかどうかの保障はありませんが。

甘い言葉は罠の可能性が高い

求人においてよく「簡単」や「働きやすい」と働く側の応募意欲を煽るタイプのがあります。しかしこうした求人は高確率で嘘であり、実際は異常な仕事量、内容のを押し付けてくるブラック企業であることが多いです。特に希望や夢といった耳障りのいい記載があれば確実といっていいでしょう。

こうした言葉がある背景には詳細に書くと「異常性」がばれてしまうので、曖昧な耳障りのいい言葉で誤魔化そうとするからです。明確にいい人材が欲しいと考えるところは具体的に条件と待遇を書いて求めます。それができない場合は単に「使い捨ての駒」が欲しいと思っているだけです。

企業の信用性はどうか

求人の情報云々以前の判断材料としてはその求人を出している企業の評判を見るという方法があります。具体的に企業の評判を見るのであればネット上での口コミや体験談のサイトを見ていくといいでしょう。そこで評判が悪ければその企業は怪しい可能性が高いです。

しかし単に評判が悪い、良いだけでなくその評価されている内容についても参考にしましょう。営業の場合は具体的にどのような仕事内容になっているか、ノルマはどうかを確認した方がいいです。評判はもちろん、その企業がどういう風に仕事をしているかも判断できます。

信用性という面においてはその企業の求人がどれくらいの頻度で出されるかも参考になります。頻繁に出されるということはそれだけ人が集まらない、入ったとしてもすぐにやめてしまうことで問題のある企業と見ることができるのです。

確かに営業は離職率が高い仕事ではありますが、短期間で離職する人が出て頻繁に急募しているところはそれ以前の問題といえます。特にこの応募の際に求人の内容が細かく変えられている場合は気をつけましょう。細かく変えることで相手を騙そうとしているからです。

仕事内容を見極める

営業の場合は特別に資格が必要にならないため見分けるのは難しいです。しかし逆に言えば求人の記載には「これは営業と関係あるのか」というのが条件に入っていれば高確率で記載されている仕事以外も任されます。企業の情報とその規模も含めて判断するようにしましょう。

営業の仕事は多種多様であるため、真摯に応募する側はそれを理解して詳細に仕事内容を書くことが多いです。逆に誤魔化そうとする側は仕事内容も「○○の営業」と簡潔に書いて詳細は書かないことが多くなります。そのため細かく書かれているかどうかも判断するための情報になるのです。

待遇の見極め方

休日に関しては週休2日制か「完全」週休2日制のどちらかを確認しましょう。紛らわしいのですが完全ではない方は必ず週末が休みであるとは限らないのです。もちろん完全ではあっても同様に休日は緊急に仕事をすることがないかどうかも書かれていればいいでしょう。

給料に関しては基本給を始めとして手当等も細かに書いているかどうかがポイントになります。現に誤魔化そうとするところはただ総合して記載しているところが多いからです。記載の内容が分からないと判断できればその誤魔化している可能性が高いと考えてもいいでしょう。

分からない場合には…

求人や評判を見ても分からない場合にはいっそのこと1回応募して確認をしてみるといいでしょう。その際に面接で質問をすればある程度の真偽を判断することができます。もし嘘を付いている場合には質問での答えも曖昧か求人との整合性がないことが多いです。

面接に行った際の企業の雰囲気によって問題があるかどうかの判断をすることもできます。実際問題がないとされる企業であれば異常な雰囲気はしないのですから。

まとめ

出される求人は嘘ばかりなのが今の日本の労働業界の現実です。しかし「ばかり」であり全てがそうではないので探していけば良質な求人を見つけることは可能です。営業の仕事は商品やサービスを販売することであるため、こうした良質な求人を見抜く目も必要となってくるでしょう。

嘘の求人を掲載しているところは営業として取り扱っているものも問題がある可能性があるのです。そのような問題のあるものを取り扱ってしまえば営業の履歴に傷がつきます。このためにも嘘の求人を出すところに引っかからないようにした方がいいのです。