転職において求人の選び方は重要であり、どこを選ぶかで成功と失敗に分かれると言っても過言ではありません。ブラック企業のように誰もが選んで失敗と思えるところもあれば、自分には合わずに失敗と感じてしまうケースもあるのです。悪質なところを選ばないのはもちろんとして自分に合う求人を選ぶようにしなければいけません。

一方で営業職にも他の職種と同じく人気企業もあります。ここでは、営業職に人気の企業と求人の選び方についてお伝えします。

求人選びで注意!人気企業の罠

人気企業は書籍でもネット検索でも見つかります。ただ気を付けなくてはいけないのが、人気の企業と言えど必ずしも優良な企業とは限らないということです

大変残念な話ではありますがこうした「人気」や「話題」というのは企業側が「カネ」で作り出すこともできます。特に匿名性が高いネット上では平気で工作として行われているのです。

もちろんそのような企業に転職したとしても悪いことが起こるとは限りません。しかし反対にそのような行為をしているために営業の仕事においても汚い手に染めなければいけないという事態に陥ることもあるのです。

さらに残念な話としてはどのような企業が工作を行っているのか視認できないという点にあります。明確に名前は出しませんが某S社のように工作していることが判明しているところであればよいのですが、そうでない場合は見破るのが難しいのが実情です。

営業職に人気のおすすめ有名企業

Google(グーグル)

もはやネット上においては誰もがその名を知るお馴染みの企業で非常に人気があります。検索エンジンでお世話になっている人が数多くいるでしょう。しかし人気があるということは逆に言えばそれだけ採用される壁も高く、採用倍率はかなり高いです。

採用倍率が高いということは未経験はかなり不利でまず採用を勝ち取るのは不可能と考えた方がいいでしょう。というよりもグーグルは当然外資系の会社であるため営業に携わりたいのであればグーグル側からのヘッドハンティングが最も現実的な方法といえます。もちろんその分仕事も厳しいものです。

それだけに給料をはじめとした待遇はかなりのもので、その人次第ですが年収1,000万円越えも当たり前というものになっています。現在ネットの世界は当たり前でグーグルの存在はなくてはならない程のものであるため安定力も保障されているのです。

ヤフー株式会社

こちらもグーグルに次いで検索エンジンで有名な企業であり、グーグルではなくこちらの検索エンジンを利用しているという方も少なくないでしょう。実際にサイトを見て様々なコンテンツを提供しているのを見れば分かるようにシステムや管理といった仕事も求人で募集しています。

その中には営業の仕事もありネット広告を主体にしたサービスの販売を行っています。しかしヤフーの場合は営業がそれ程重要視されていない社風であり、そのため待遇としては特別高いものではありません。他の仕事の方が年収が高い、ということもあるのです。

しかしそれでも待遇としては悪いわけではなく、年収自体も高いと判断することはできます。ネットのサービスを提供していることもあって安定している部分もあり、グーグルと同じく安定性は約束されているでしょう。しかしその分採用倍率に関しては高くなっています。

グーグルと同じように経験者が有利で未経験が参入するのは難しいでしょう。

トヨタ自動車

自動車業界では知らない人がいない程の大手企業で自動車のことを知らなくてもその名前は知っている方が多い程の知名度を誇る企業です。

大手企業ということもあって待遇も保障されていて、年収に関してはグーグルやヤフーに負けますがそれでも一般企業の職種よりは高くなっています。

トヨタは全国で営業所を展開していて人によってどこが仕事場になるかは変わってきます。車の企業となれば自動車を販売することが目的と考えられがちですが、それ以外にも自動車保険クレジットカード等のサービスの提供も含まれることが多いです。ノルマ自体はどこで仕事をするかで異なりますが厳しいのが課せられる可能性もあります。

採用倍率は人気企業ということもあって当然のように高く、簡単に採用を勝ち取ることができないでしょう。そのためこちらも経験を積んでチャンスを掴むしかありません。そして選ぶ場合には自分に見合ったノルマとされる仕事場を選ぶようにしましょう

三菱商事

三菱商事もその名を知らない人がいない程の大手であり、トヨタと同じく自動車で知られるだけでなくITやエネルギーと様々な分野の運営をしている企業です。運営している分野が様々である関係で営業の仕事もどこの分野に所属するかで大きく変わってきます。

多種多様な分野があるということは異動で別の分野に所属して営業の仕事自体が変わるというケースもあり得るのです。見方を変えればどの分野に異動しても仕事をしていける臨機応変の能力が求められる企業であるといえます。人によっては短期間で頻繁に変わることもあるのです。

これだけの分野を運営していることから分かるように年収も千万近いところまで行くことが可能でボーナスも出るという待遇となっています。しかし三菱商事は企業としては珍しく営業の立場が弱い企業であり、そうした意味では他よりも待遇が悪くなってしまう可能性はあるのです。

それでも大手という関係で安泰する程の待遇は約束されたも同然でしょう。とはいえ魅力があるということは当然倍率も高く、年によって違いますが100倍という数値になるのも珍しくはありません。後は学歴で見られることも多く、有名な大学を卒業している人が採用されることが多くなっています。

そのため学歴がなく営業の経験がない人間はかなり厳しい話です。

applejapan、アップルジャパン

スマートフォンが当たり前のように使われている時代において、このアップルという言葉を聞いたことがない方は少ないでしょう。名の通りにアップルが日本で経営していくための子会社であり、海外の企業という通りに外資系の会社といえます。パソコンでもMacを取り扱っているようにそうした機器の提供を行っているところです。

そのため営業の仕事もMacを始めとしたアップルの取り扱っている機器とネットやアプリ関係のサービスを提供する仕事となります。外資でIT系が関わるため未経験が狙うのはまず不可能だと考えた方がいいでしょう。グーグルと同じくヘッドハンティングされる程の能力を持つ必要があります。

当然仕事の実績によって待遇は変わりますが、それでも基本給から大きく上がることはありません。しかし水準自体が高いために基本給だけでも十分に高収入となっています。海外の企業ということもあり、他の日本企業では受けられない待遇を味わうことも可能です。

営業の求人の選び方

ここまで見ていけば大手や人気の企業というのは待遇に関しては問題がなく安定性もありますが、倍率が高く採用されるのはかなり難しいということが分かるでしょう。そのため、選んだところで採用されるかどうかは本人次第で、状況によってはかなり絶望的ともいえます。

営業未経験者でも人気企業で働ける?

少なくとも営業未経験者に関しては、安定性のある人気企業で営業の仕事をするという選択は諦めた方がいいです。待遇がいい分仕事自体も抜かりないものが求められ、特に外資系は実力勝負で実力がない人間はまず選考に通ることすら適いません。

そのため、おすすめの求人を選ぶという意味ではある程度営業の経験がある人間限定となります。未経験の場合はこの経験者と同じスタートラインに立つところから始めた方がいいです。

↓営業未経験者はこちらの記事をお読みください。
未経験で営業に転職!ダメ求人を選ばずに採用を勝ち取る方法

仕事内容で選ぶ

待遇がいい企業での仕事はどこも厳しいのは間違いありませんが、それでもどのような仕事を受け持つかでやりやすさも大分変わってくるでしょう。それだけでなく今までの経験で有利不利が決まることもあるため、単純なやりたいことだけでなく今までの経験から適した仕事を選ぶというのもいいでしょう。

しかし営業と一言でいっても三菱商事のようにどの営業を任されるか変わってきます。異動等で受け持つ営業が変わることはありますが、基本的にその選んだ仕事をやっていくことになるため求人票の仕事内容はしっかりと確認して判断しましょう。

待遇と年収で選ぶ

紹介したような有名企業の場合は普通に生活していく上では十分な年収を得ることができますが、それでも金額による差があるのは間違いありません。

年収で選ぶ場合には基本の給料だけでなくその年収が上がる可能性がどれくらいあるかも確認しておきましょう。紹介したおすすめの企業は年功序列で年代が上がるにつれて年収も上がるということが多いです

その上がり具合も企業によって違い、ある世代になると急激に上がったりするケースも存在します。この点に関しては自分の世代がどうなのかを確認しつつ、その後はどうなるかも考えて判断しましょう。他にも年収だけでなく休みやボーナスを始めとした待遇の確認もした方がいいです。

営業の場合は休日でも緊急で出勤要請されるケースが存在します。この休日の緊急要請があるかどうかも休日を重視する人は確認して選んだ方がいいです。

安定性に関して

大手企業であれば安定性があるのはどこも同じ…といいたいところですが、実際にはそういうことはありません。大手となれば当然何かあった時にニュースで顔を出す可能性が高くなります。不祥事なこともあれば中には経営不振等の安定性に不安が生じる情報が出てくることもあるのです。

安定性に陰りが出てくれば本来はほとんどないリストラの可能性も出てきます。リストラは基本的に「切っても問題ない」とされる人間が対象となるため入社したての人間は危険です。そのため採用されたのに、短期間で切られるというケースが起こってもおかしくありません。

しかしこのリストラに関しては特に外資系が問題となります。というのも外資系は部門自体が解散して消滅する可能性があり、そうなるとその部門に所属していた場合は問答無用でリストラとなってしまうのです。こうなると能力のある、ないは関係ありません。

しかもこの部門の解散は営業部門がされやすい部門の1つとして入っています。実際に解散がされるかどうかは運次第というとこもありますが、事前に求人ではなくその企業の情報を集めてある程度可能性がどれくらいあるか分析しておいた方がいいでしょう。

求人に掲載されている以外の情報を見て判断する必要があるため、そういう意味では営業としての眼力が問われる選び方といえます。

人気企業の募集を見つけるには

求人を選ぶ以前にその目的とする求人が見つからないという状況に陥る方もいるでしょう。実際に人気の企業は応募がすぐに埋まるので、それで人員が間に合っていて中々募集しないということもあります。場合によっては募集していても気づかないという事態に陥ることもあるのです。

こうした人気のある企業の求人を見つけるには、転職エージェントを利用するのが最適です。転職エージェントが紹介してくれる非公開求人にはこういった人気企業が隠れている可能性が高いためです。

エージェントに登録した時点で良い求人がなかったとしても最新の情報が常に入ってくるため、エージェントに登録してアンテナを張り巡らしておくしかないでしょう。

まとめ

人気のある企業を狙うというのは競争率が高く、運も必要となる程の狭き門となっています。そのためどれだけ実力と実績があったとしても運が悪ければ生涯関わることができないというケースも出てきてしまうでしょう。関わりたい、仕事をしたいのであれば人一倍に努力をする必要があります。

もちろんこうした企業はいいことばかりではなく人によっては待遇はいいがやっていて疲れてしまう、と感じてしまう方もいるでしょう。営業の仕事は多種多様であるため人気のある企業の仕事が必ず自分に合っているとは限りません。人気ばかりでなく自分のやりたいことも考えて選ぶのが大事です。