面接は必ず受ける試験となっていますが、企業によっては筆記試験も受けなければいけないケースも存在します。筆記試験は当然のことながら出された問題を解いていくテストであり合格のラインは企業によって違いますが、少なくとも結果が悪ければ不採用になってしまうのは確かです。

営業の筆記試験は一種類ではなく幾つか存在しているため、試験に応じた対策を取る必要があります。では営業の筆記試験にはどのようなものがあり、どう対策を取ればいいのでしょうか。

営業の筆記試験には何があるか

営業の筆記試験の内容は専門知識、一般常識、適正、作文といったものがあり、企業によっては更に独自の試験を用意している可能性もあります。

どの種類の試験が行われるかは企業によって違い一種類のみということもあれば複数の筆記試験が行われる場合もあるのです。

専門知識の試験

その名の通りに営業の業界で仕事をしていくにおいて必要な知識が備わっているかどうかを確かめる試験です。専門であるために難易度はその人次第で経験者であれば楽に感じる反面、未経験は厳しいものとなるでしょう。

どの企業かによっても異なってきて、取り扱っている商品が違えば試験の内容も大きく変わる可能性が高いです。

一般常識の試験

専門ではなく普段の社会において一般常識とされる知識が備わっているかどうかを確かめる試験です。

一般常識と一言でいっても様々であるため専門以上に企業によって出される内容が変わってきます。しかし営業という関係で時事問題が出てくる可能性が高いです。

適正の試験

名の通りにその人物が仕事を自分達の仕事をする上で適しているかどうかを確かめる試験です。

内容としては学校のテストで出るレベルの問題が出る一方でその人の心理面を確かめる問題が出てきます。企業によって異なりますが、営業となれば対人の仕事をする関係で心理面の割合が多くなる可能性が高いです。

作文

早い話が小論文であり、出されたテーマを基にそれに対して自分がどういう考えを持っているか文章を作り上げていく試験です。基本的にその企業が取り扱っている商品に関係した課題が出されること多くなります。

営業の筆記試験の対策方法

専門知識の対策

当たり前ですがその必要とされる専門知識について頭に入れておく必要があります。そのため営業に関わる知識について勉強をしていくのが基本となるのです。経験者であっても何かしら忘れている可能性があるため復習の意味合いも兼ねて学んでおくといいでしょう。

しかし、専門知識の場合には用語についての説明が求められる問題が出てくることもあります。この問題はその用語の意味を理解しているかを調べるのと同時に如何に分かりやすく用語の説明ができるか見られるものです。そのため暗記するだけでなく相手に説明できるレベルにしておく必要があります。

特に問題となるのが経験者より未経験者で経験がない関係で専門知識は乏しい状態で受けなければいけません。様々な職種には関係する資格があるように営業も営業士、販売士といった関係のある資格が存在します。これらの資格を目指せば自然と知識が身に付くのでやってみるといいでしょう。

資格自体も取得すれば転職において有利になる可能性があるため一石二鳥です。もちろん「可能性」であり、一昔前に比べると資格の効力はほとんどないため過度な期待はしないようにしましょう。

一般常識の対策

一般常識は普段から使われる知識であるため対策のしようがありません。対策をするよりも普段から学習をして知識を頭に入れておく必要があるのです。国語、数学、社会と学生の時に学んだ常識が問われることもあるので、時には学生の時に使用していた教科書を活用するのもいいでしょう。

場合によって参考書を買うのもいいですが流石にそこまでする必要はありません。人によっては学生の時はよくても年すっかり忘れてしまっているケースは珍しくないため「カン」を取り戻すつもりで勉強をするといいでしょう。

営業であれば高確率で時事問題が出てくるため、普段から時事に関わるニュースや情報を仕入れたほうがいいです。気をつけたいのは国内だけでなく海外のも出てくることであり、海外を視野に入れた企業から確実といっていい程出ます。国内だけでなく海外の情報も仕入れましょう。

海外を視野に入れた企業は海外の時事問題が確実に出ると書きましたが、見方を変えれば企業によって関連するニュースや情報の時事問題はほぼ確実に出るという話となります。そのため自分の応募する企業が営業で何を取り扱うか確認して、それに関わるニュース、情報を仕入れるといいでしょう。

適正の対策

矛盾が命取り

基本的な問題は一般常識と同じような対策でよいですが問題は心理面が問われる形式の問題です。こうした心理面を問う問題は正解というものが存在せず本人の考えを見るためのものになっています。そのため、一番気をつけたいのは全体を見て矛盾が生じることです。

本人が自分の考えを持っていればそこに矛盾が生じることはありません。逆に言えば他人に流されたり、何も考えていないと矛盾が生じる可能性が高くなってしまいます。「自分の考えを持たない、自分で考えられない人間が営業でいい成績を出すことができるか」を考えればこれによるマイナスの度合いは容易に理解できるでしょう。

完全な対策はない

この心理面の問題に関しては完全な対策をするのは難しい話です。問題の内容が時代を追うことに変わり、出ている参考書が役に立たなくなってしまう程の状態だからです。中には心理面を見るという関係で他の企業では出ないような摩訶不思議と称してもいい問題が出ることもあります。

適当に答えず、しかし自分の心赴くままに答えられるようにしておくのが一番の対策となるでしょう。実際に自分の考えを持って話をかわしていくのは営業の仕事をするにおいて必要なことなのですから。

作文の対策

作文の試験は当然出された課題からどのような文章を書くかがポイントになります。

誤字・脱字はマイナスとなるため、普段かそのミスを出さないように文章を書ける必要があるのです。筆記試験はペンで書いていくため、その書き方に関して練習しておくのがいいかもしれません。

内容重視

内容としては少なくとも適正試験と同じように自分の考えを持つことが大事です。作文は自分の考えを文章として描写する媒体であり、考えがあれば普段から文章を書くのが上手くなくてもスラスラと書くことができます。文章形式に関しては問題が出る可能性もありますが、内容がよければ熱意は評価してもらえるでしょう。

実際に営業は対話して相手に商品を売り込むので、相手に熱意を伝えさせるというのは重要なことです。上手な文章であっても中身のない文章であれば何の意味もありません。企業としても文章が上手なことよりも、良い内容を書く人間を入れたいと考えるため、少し形式に問題があっても内容を煮詰めるようにしましょう

文章力は一定水準あればよい

内容重視とはいえ、流石にあまりにも文章が下手であるのは問題外であり、伝わるべきものが伝わりません。

未経験から営業へと転職を目指す場合には以前の仕事次第で文章の書き方自体をすっかり忘れているという場合もあります。その場合には今一度文章の書き方について本やネットで勉強しておくといいでしょう。

企業の情報から見る筆記試験

筆記試験の対策をしていたとしてもその筆記試験が実施されなければ意味がありません。対策をするのはもちろんですが、自分の応募する企業がどの筆記試験を行うか見極めるのも重要です。筆記試験があるかどうかを判断するには当然求人情報を見ることになります。

筆記試験があるかどうかを見極める方法

求人情報から見極める

筆記試験がある企業は求人に「筆記試験」と書いてあり、詳細に試験内容が書かれているケースもあるのです。しかし中には「筆記試験」とだけしか書いておらず、どの種類の試験をするか求人情報だけでは分からないというケースも多くなっています。電話をしたとしても大抵の場合は教えてくれないでしょう。

求人以外から見極める

求人情報で分からなければ、ネットを始めとした筆記試験に対する情報が記載されているところで情報を集めるしかありません。筆記試験を行う企業であれば過去に行っていることが多く、過去に受けた人の体験談からある程度予想することも可能です。もちろん完全に同じとは限らない点に気をつける必要があります。

友人を始めとした知り合いが過去に受けた経験がある場合にはその該当者から情報を聞き出すのもいいでしょう。その場合には何の試験が行われるかだけでなく、どのような傾向の試験が出るかも分かる可能性があります。もちろんこちらも完全ではないので気をつけましょう。

一番確実なのは転職エージェントを使うことです。転職エージェントであれば企業の内部情報を知っていますし、そもそもエージェントを通すことで筆記試験はなくなることもあります

究極の対策としては最初の1回は捨てて、どのような試験が行われるのか実際に受けてみるという方法があります。1回落ちることを前提とした方法であるためしばらく再応募できないのが痛いですが、実際に受けることでより詳細に試験の内容を理解することができるのです。

この方法も次受ける時は別の試験が出る可能性もあります。しかし「その企業の傾向が分かる」という関係で試験の内容が変わったとしてもある程度の対応をすることはできるでしょう。

まとめ

筆記試験は当然ですが書くものが必要となります。事前に対策をしていても本番に書くものを忘れてしまっては本末転倒な結果となりますので鉛筆、シャーペン、消しゴムといった文房具は一通り揃えておきましょう。

テストによっては電卓の持ち込みが許可されていることもあります。電卓の持ち込みが許可される試験は大抵人力では、解くのが厳しい計算問題が出る可能性が高いです。忘れるとそれだけで不利になるのでこちらも忘れないようにしましょう。

未経験となれば今までの職種とは違ったような筆記試験となるため、意図が掴めずに思ったような答えができないという事態に陥る可能性もあります。面接と同じでこの筆記試験自体も実際に経験することで次に活かせることになるため、失敗してもその経験を忘れないようにしましょう。