航空会社は飛行機等の航空機を利用して人や物を運ぶのが仕事です。ネットも普及して時代が変わった今でもパイロットは世間的に人気の職業で目指している人も多いでしょう。しかし航空会社の仕事は単に飛行機を動かして何かを運ぶだけではありません。

機内の客のお世話をする乗客員、客が飛行機に乗り込むまでのサポートをするグラウンドスタッフ、飛行機が安全に動くようメンテナンスをする点検・整備をする整備士と様々です。その中には他の職種と同じように営業の仕事も含まれています。

では実際に航空会社の営業はどのような仕事内容で、求人事情はどのようになっていて採用されるにはどうすればいいでしょうか。

航空会社の営業の仕事内容

航空会社の仕事は人や物を運ぶのが主ですが、その運ぶべき人や物が存在しなければ運営していくことはできません。航空会社の営業はその人と物を会得することが仕事になります。人の場合は旅客営業、物の場合は貨物営業として営業の仕事をするのです。

基本的に客が飛行機に乗るケースは旅行が多く、旅行会社を利用していることも珍しくありません。そのため旅客営業の仕事先は旅行会社であり、飛行機に乗るための航空券の提供をします。航空会社によってもその内容は変わってきて、相手にする企業によって細かく担当が分けられていることもあるのです。

しかし飛行機の座席というのは無限ではなくどれだけ大きくても限りがあります。そのため旅行会社と交渉もその座席のことを考えながらしていかなければいけません。場合によっては営業側で調整という名のアドリブを入れる必要があるのです。

貨物営業の方は物を運びたいと考える法人企業に行き営業をすることになります。しかし全ての職種を対象にしているわけではなく航空で運ぶのに価値がある物品を取り扱っている企業を対象に営業するのです。その物品は主に美術品や医薬品、救援物資等が該当します。

「何を運ぶか」だけでなく「どうやって運ぶか」を考えるのも貨物営業の仕事です。貨物する荷物が多くなればなる程取れるルートも多くなるので、品質や納期のことを考えて判断していかなければいけません。

旅客営業と貨物営業、どちらを担当するにしても交渉する相手は企業で法人相手に仕事をすることになります。更に旅客営業での調整や貨物営業でのルートの考案とどれも一筋縄では行かないもので、単なる交渉とはまた違った難易度の高い仕事です。

待遇や年収に関してはどこの企業で仕事をするかによっても決まります。最近では格安の航空会社も存在しますが、こうした格安のところは営業でなくても給料が低いことが多いです。逆に大手となるとその分待遇も年収もよくなることが多いことになります。

平均すると航空会社の営業の年収は600万辺りとなり、給料だけ見ればパイロット等の方が高額なことが多いです。そのため待遇や年収だけを見るのであれば航空会社の営業はそこまで魅力はないといえます。一方で航空会社の仕事に携わるという関係で、他の営業にはない魅力が存在するのです。

航空会社の営業の求人事情

航空会社の仕事としてはパイロットの倍率がかなり高いことで知られています。しかしパイロットばかりに目が行きがちですが、航空会社の求人倍率はパイロットに限らず全体的に高いのです。営業も例外ではなく簡単に転職することはできないでしょう。

中途採用に関してはどの職種かによっても変わってきますが、営業といった接客タイプは募集されている頻度が多いです。そのため求人を探すこと自体には困らないでしょう。最も求人が多くてもそれらに応募して採用されるかどうか自体が最大の問題となりますが。

頻度が多いとは書きましたが、職場によっていつの時期に出すか決まっているケースも多いです。どの企業も同じ時期に一斉に出すとは限らず離れていることも珍しくありません。そのため特定の企業を狙っている場合はその企業がいつの時期に出すか調べておいた方がいいです。

大手やある程度の規模がある会社となればネットのサイトで時期を公表していることも多いためそちらを参考にするのがいいでしょう。もしくは転職サイト、エージェントを利用して情報収集するのも手です。

航空会社の営業は未経験でも狙うことは十分に可能です。しかし新卒とは違い転職となると仕事の経験が存在するため、経験者が優先される可能性が高くなっています。倍率が高いこともあって携わること自体は問題ないが、採用されるまでが難しいというのが営業未経験の立ち位置となるでしょう。

営業といえど航空会社で仕事をする関係で、日本語ではなく他の外国語が求められるケースが出る可能性もあります。これが理由で以前の仕事で海外が関わっていた、英語等を使う必要があった職種に付いていた場合は多少有利になるでしょう。

それと客室乗務員もそうですが航空会社で仕事をするとなれば営業でも一般教養、マナーというものが問われてきます。逆に言えば以前の仕事でもそのマナーを問われる、大事にするタイプの職種に携わっていればこちらも有利になるといえるのです。

求人の選び方として安定のことを考えるのなら大手を選ぶのが一番…と昔なら問題なく言えました。しかし大手とされていたJALが破綻したという記憶にも新しい衝撃的なニュースが存在します。この関係で大手だから安定性があるとは言い切れなくなってしまいました。

航空会社の求人を選ぶのであれば、求人よりもその航空会社が経営していくにおいて大丈夫かどうかを情報を集めて確認した方がいいでしょう。航空会社は国内においても重要な立ち位置にあるため、国の介入で再生することができる可能性はありますが破綻すればその影響を受けないとは限りません。

下手をすれば採用されたのにすぐにリストラされるという状態に陥ることもあるのです。むしろ破綻する可能性のある企業は「生贄」として転職で来た人間を採用する可能性もあります。このこともあって経営が不安な航空会社は選択肢に入れない方がいいのです。

航空会社によって待遇や年収が違うためその情報についても確認しておきましょう。人によっては給料よりも福利厚生がどうなっているかを重視した方がいいです。この福利厚生は求人で詳しく知ることができない可能性もあるため、この場合は転職エージェント等で情報を聞き出すといいでしょう。

特に航空会社の福利厚生となるとチケットやマイルによるサービスがあり、普段から飛行機をよく利用する方はこれを重視して選ぶのも1つの方法です。

航空会社の営業に採用されるには

先に書いたように航空会社は海外が視野に入っている仕事であるため外国語、特に英語が使えるのが当たり前です。これは客室乗務員やパイロットといった実際に航空機を利用する立場の人間だけでなく航空会社で働く人間であれば全員該当します。

この関係で航空会社の営業を狙うには英語力を身に付ける必要があります。しかし単に「英語が話せる」だけでは弱く、英語で対話ができてコミュニケーションが取れる程度の能力が必要です

英語力を身に付けるには英語に関しての勉強はもちろん、英語での対話に関する経験も積むしかありません。そこを考えると何かしら英語力を積むことができる教室に通うか、転職は一旦諦めて英語力を積むことができる仕事に就くことを考えるのがいいでしょう。

しかし英語は重要ですが基礎学力や一般休養も同時に求められます。これまでの仕事の経験や人生において基礎学力が足りないと感じるのであれば改めて学習をするしかありません。その際には一般教養も同時に学習しておきましょう。

営業の場合は仕事の内容を見れば分かるように状況に応じて臨機応変に対応できる思考力、観察力も必要となります。情報からどのように行動するかを考えられる人間が航空会社の営業に向いているといえるでしょう。

それと営業であり、基本的に国内の法人企業を相手にはしますが航空ということで海外のことも視野に入ってくることが多いです。そのため海外が好きであったり、旅行好きな方もこの仕事に向いていると考えられます。

履歴書、職務経歴書について

英語力が求められるので英語で書くことを考える人がいるかもしれませんがそれはおすすめできません。対話での英語は大事ですが英語には様々なニュアンスを含む言葉もあり、中には別の意味にとられてしまうこともあるからです。何より日本語よりも英語の方が文字数が多くなるため冗長的な文章になってしまいます。

当たり前ですが航空会社の営業で仕事をしたいというアピールをすることが最も大事です。単に「仕事をしたい」だけでは通用しないので自分の能力や目的から相応しいとされる理由を挙げていき説得力のある文章にしましょう。しかし履歴書は志望動機も自己PRも文章制限はあるため長々と書いてられません。

そのため理由の中でも特に伝えるのに効果的とされる内容を書くようにしましょう。転職において営業が未経験である場合には自分を発展させたいという成長を希望している意志も必要です。経験者は逆にそれまでの営業の経験を転職の理由と共にぶつけましょう。

一般教養が必要とされる関係で志望動機や自己PRの内容はもちろん、履歴書をしっかり書けているかもポイントになります。書き方に不安がある場合は転職エージェントを利用してアドバイスをしてもらった方がいいでしょう。この履歴書の件に関しては職務経歴書の書き方も同等という話になります。

面接について

履歴書と合わせて他からの転職であれば確実に航空会社へ転職をする理由、目的を必ず聞かれることになります。これ自体は他の職種と同じですが航空会社の場合は特に重要な部分として聞かれることになるのです。そのためここでどう答えるかによって採用が決まるといっても過言ではありません。

未経験、経験者であっても航空会社の営業の仕事を目的とする理由をアピールするのは同じです。長々と話をすることは話をまとめられないとしてマイナスとなるため、結論から考えてそこから理由を説明できるようにするのがいいでしょう。時には英語を交えて話すのもいいです。

将来的なことが聞かれる可能性も高く、これもこちらが明確な目的を持って来ているか見られる質問となります。航空会社の営業は見て分かるように年収という意味では決して高いものではありません。単に年収の高さだけを考えれば他の職種の営業を狙った方がいいことになります。

このことからお金のためではなく、他の部分で営業の仕事に携わってどうしていくかの説得力を相手に伝える必要があるのです。

まとめ

航空会社の仕事は転職倍率が高いため簡単に転職をすることができません。その人の状態にもよりますが場合によっては何回も落選を体験することになるでしょう。年収や待遇を考えると他の営業を考えた方がいいため、航空会社の営業を狙うには他の利益主義とは違う方面で強い意志を持つ必要があります。

しかし営業であるため利益を考える必要はあれど、航空会社としての責任と使命を持って働く必要があるのです。そうした何かに「貢献」するための仕事をするというのは他の営業にはない達成感があります。特に荷物を飛行機でどう運ぶかは他の営業にはない「考えがい」のある仕事です。

1回で転職できれば運がいいと考えられますが、1回以上落ちる可能性はあるので心から狙うのであれば諦めず、折れずに行動していきましょう。