製造業も何も考えずに物作りをしているわけではなく、依頼先の要求するものを作ります。この依頼先から何を作り出すかの要求を持ってくるのが製造業の営業の仕事となるのです。では実際に製造業の営業の仕事内容、求人事情はどのようになっていて採用されるには何が必要なのでしょうか。

製造業の営業の仕事内容

企業を回って製造する依頼を受ける、一言で称すればこれが製造業の営業の仕事となります。しかし何でも作れる工場というものがあるわけではなく自分達が製造できる範囲でそれに対応した企業を回っていくことになるのです。機械の部品を作成するところであれば、それを必要とするところに回ります。

しかし機械の部品と一言でいっても減速機のように用途が多彩な部品もあり、その用途によっても回る企業が変わるのです。そのためどこの企業に勤めるかで自分が営業する企業も大きく変わると考えていいでしょう

物作りは海外でも当たり前のように行われているため、海外の企業が仕事先になるのも珍しい話ではありません。海外となれば言語の壁や文化の違いといった問題もあり国内よりも難易度は高くなっています。しかしその分利益率が高くなるチャンスも大きい仕事です。

営業としては訪問前にニーズを把握して、そこから仕様を考えてそれを顧客に提供することになります。相手の要望によって修正も行い、納品した後もクレーム等の対応をしなければいけません。

仕事として厳しいか

企業によっては変わりますが、どこの企業で仕事をしたとしても法人が相手になる以上は一定の難しさはあると考えていいでしょう。その理由として大手、中小に限らず製造業の企業は数多く存在しています。数多く存在しているということはそれだけライバルも多いということです。

営業相手から製造の依頼を受けるためにはそのライバル達を払いのけて勝ち取らなければいけません。商品も他の売り込む営業とは違ってこれから製造するという実体がないものであるため、如何に口で相手をその気にさせるかが重要となります。更に利益のことも考えて安く受けないようにする必要もあるのです。

顧客の依頼を受けもちつつ自分達の利益も出す、このことから一筋縄では行かないことが分かるでしょう。

待遇について

企業と仕事の形式によって待遇も年収も幾らでも変わってきます。製造業でもルート形式、新規開拓の割合が企業によって変わりルート営業だけ、大半がルート営業と違いがあるのです。基本的にルート営業の方が残業が少なく休日も取れると待遇はよいですが年収の方は平均的な額となります。

新規開拓の方はノルマが提示されて新規の相手をしなければいけないので難易度が高いです。その分実績によってこちらの待遇はよくなり年収も千万近く、超える可能性もあります。しかし逆に実績が悪ければ減る可能性もあるので安定はしません。中小と大手でも変わり、当然大手の方が待遇も年収もよくなります。

しかし一言で中小、大手と分けても営業が上手くいっている、いっていない会社に分けることもできるのです。上手くいっていなければ当然待遇や年収に関してもあまり期待はできないでしょう。

製造業の営業の求人事情

製造業をしている工場の数は多いため一般の製造に携わるよりかは少なくなりますが、見つけるのに苦労はしないでしょう。しかし単に求人応募して営業するのであれば問題ないですが、求人の質に気をつけましょう。製造業も十分にブラックが多い職種なのですから。

ブラックでない求人を探すとなると選択肢は減りますが、製造業は幾多もある職種なので問題ない企業を選ぶことはそこまで難しいものではありません。しかし優良企業となると転職では条件が求められることも多いので、その条件の確認をして大丈夫かどうかの判断は忘れないようにしましょう。

未経験の有利と不利

求人の中には営業の経験者を限定して応募しているところもあり、単に経験者が必要とあれば経験年数の指定もされていることがあります。場合によっては製造業の営業の経験を指定してくるところもあるのです。当然未経験はこのような求人に手を出しても意味がありません。

しかし製造業の営業は未経験でも転職することは難しくはないです。むしろその企業の取り扱っている商品に関係のある仕事に勤めていた人の方が有利になります。企業としても自分達の取り扱っているもののよさが分かる人間に営業をしてもらいたいものだからです。

製造業によってもどの職種からの転職かで有利になるかどうか変わります。逆に言えば製造業をしていた人の場合は同じ職種の営業、同業他社を狙うのがいいです

そのことを考えると製造業の営業で狙っている仕事がある場合は、その仕事に応じた製造業の仕事を経験して転職を考えた方がいいでしょう。もちろん短期間の経験では効果が薄いので、一定の期間は勤める必要があることも理解して転職する必要があります。

製造業の営業に採用されるには

未経験でも該当する製造業を経験した方が有利になるように、その企業が取り扱っている商品に関しての知識は身に付けておく必要があります。営業であれば詳細な部分まで頭に入れる必要はありませんが、商品を理解しているとしていないでは説明の質にも大きな差が出るのです。

知識だけでなくその知識を上手く顧客に伝えることができる構成力も忘れてはいけません。その商品のよさをどのようにして伝えられるかは相手にアピールするための重要なポイントです。単に口だけで話すだけでなくノートやパソコンの動画といった準備もできる応用力も必要でしょう。

営業力は重要ではない

営業なので営業力が必要だと考えられがちですが、実は意外に営業力はそこまで重要ではないのです。この業界において大事なのは自分達の取り扱っているもののアピールをすることで、そのアピールができれば自然と営業も上手くやることができます。

逆にいえば他の営業の経験、特に商品を売り込む系統をしていた方はやり方を矯正する必要が出てくるのです。求人応募において経験があるのは有利ですが、実際に仕事としてやっていくのであれば今までのは通用せず、新たなやり口を考える必要が出てきます。

海外について考える

特に大手だと高確率ではありますが企業によっては海外展開を考えているところもあります。海外となると外国語が必要となり基本的には英語ですが、場合によっては営業先の国の言語を理解できるようにする必要があるでしょう。ここはその企業の展開先を見て判断する必要があります。

更に相手が海外となると国内よりも自分達の商品のアピールが必要となってきます。そういう意味では技術者的な側面も必要であり、その経験が必要となるといえるでしょう。場合によっては仕事に限らず海外で何かしらの経験をしたことがあるのも必要になります。

履歴書、職務経歴書について

製造業の営業を選んだのであれば、何故その製造の営業を選んだのかを志望動機で伝えられるようにしておきましょう。単に製造の営業だけであれば「自分達のところでなくてもいい」と一蹴されてしまうからです。そのためには企業についても調べて、それに合う特徴も含めましょう。

取り扱っているものの知識が必要という関係で志望動機、自己PRのどちらかにその知識があるということをアピールできる内容があるのがいいです。単に知識があるだけでなく製造されているものに対しての熱意が感じられる内容も含めればより説得力が増すでしょう。

職務経歴書に関しては製造に関わる経験が必要となるので、それを重点的にアピールするのがいいです。しかし経験が短い場合にはアピールが十分かけずに逆効果になる恐れもあるため、下手に重点的に書かないほうがいいでしょう。

後はまとめて形式的にしっかりと書くようにしてください。ここでまとめて書けるかどうかで営業においても効率よく仕事ができるか見られることになります。特に中小企業は営業における効率をポイントにしているところが多いため尚のこと重要です。

面接対策について

営業をするのであれば企業としてはその取り扱うものに対する知識がある人間に任せた方がいいです。そのため面接で企業が取り扱うとされるものに対しての質問が高確率で出てくることになります。そのためそれに対してしっかりと受け答えできるように準備しておいた方がいいです。

しかし製造業で取り扱うものは多数であるため中には質問が来ても答えられないケースが出てくるでしょう。その場合には下手に答えるより正直に「分かりません」と答えた方がいいです。しかし単に分からないと答えるだけでなく知ろうとする意欲を見せるようにはしましょう。

製造業の経験があれば当然その仕事に対する質問も出てくることになります。ここで答えられないと経験が無意味なものであると判断されてしまうので、職務経歴書をまとめると同時に出る質問を想定して答えられるようにしておいた方がいいです。

中小企業になると場合によっては営業を任せる関係で企業経営に関しての質問が出てくる可能性もあります。相手のことも考えて答えなければいけないので難易度が高いですが、上手い受け答えができれば採用される可能性は確実といってもいいでしょう。

営業の経験、未経験に限らず相手の企業のことを考えて自分なりの答えを出してみましょう。少なくともここで自分で考えて答えるというのは製造の営業において相手に「伝える」ために必要なことです

まとめ

普通の営業と違って売り込むというよりもアピールすること重要となる仕事です。そのため営業の経験があっても向いていない、未経験であっても向いていると人によって分かれることになると思います。

どこを選ぶかで仕事の環境もガラリと変わる可能性があり、選び方を間違えてしまえば再転職が近づいてしまいます。志望動機で説得力を出さなければ採用が難しいように選ぶ場合にも入念に考えて後悔しないように選ぶようにしましょう。