営業の転職は他の職種に比べれば未経験でもしやすいものになっています。しかし一言で営業といってもその仕事は多種多様で、その仕事によっても難易度というものは変わってきます。難易度が変われば転職の難易度も変わり、そこに本人のステータスが入ってくれば更に状況は変わってきます。

このこともあって営業に転職する難易度は一言で簡単、難しいといえるものではなく営業の種類と本人によって如何様にも変わるのです。実際どのように変わるのか、それは幾つかのケースを挙げて見ていきましょう。

営業から営業への転職

営業の仕事を経験している、実績があるために数あるケースの中では最も転職が簡単な立場にあります。実績があるということはその仕事を任せることの信頼があるため企業としても採用しやすいのです。この点に関しては他の職種と変わりません。

営業の場合は仕事の違いもあり、場合によっては今まで経験したことがない営業の仕事に携わるケースもあります。この場合は「未経験」ということになりますが「営業の仕事」は未経験ではないため一般の未経験とは状況が違うのです。そのため未経験では難しい種類の営業も採用されやすい立場にあります。

しかし積んだ実績と経験によっては他よりも難しいとされる営業の仕事も存在します。こうした難しいとされる営業の大半は転職で自分から行くよりスカウトやヘッドハンティングによる雇用が多いです。逆に言えばそのヘッドハンティングが来る程の実績と経験を身に付ける必要があります。

特に自分が以前していた営業の仕事と同じ仕事である場合には実績と経験があるため採用される可能性が高いです。しかしこの同じ仕事という立場で気をつけたいのは同業他社を選ぶことであり、競業避止義務といった規約に違反してしまうケースがあります。この点に気をつけて転職活動をしましょう。

見方を変えると経験者はこの競業避止義務によるペナルティを背負っているともいえるのです。これが経験・実績によるメリットがある代わりに背負う必要があるデメリットといえます。予め競業避止義務を始めとした転職によって起こる違反について確認しておく必要があるでしょう。

実際に転職先を探すのであれば求人応募にて経験があることを条件にしているところを狙うようにした方がいいです。経験が必要ということは経験者を求めていることに繋がるため、経験者であればその分採用される確率も上がります。しかし条件に合わないといけないので、応募前にしっかりと確認をしておきましょう。

未経験の応募をしているところを狙うのもいけないことではありません。しかしそうした未経験を求めているところは経験者のことを視野に入れていないので好待遇での転職は難しくなります。何よりこうした企業は一時的であったり、数合わせを目的としていることもあるため力を発揮しにくい環境での仕事になってしまうでしょう。

気をつけたいのは簡単だからといって手を抜かないことです。近年では転職が当たり前となっていて転職を志すライバルはどの職種でも多く存在します。そのようなライバルがいる中で実績や経験で天狗になって転職活動を適当にしていると気づかない間に追い詰められてしまうのです。

営業の経験がある人間の営業への転職は「簡単」ではありますが「確実」ではありません。簡単ではあっても全力で活動に望みましょう。

未経験から営業への転職

営業から別の職種というケースがよくある反面、他の職種から営業へ移るケースもあり得る話です。就職とは違い転職であり、仕事の経験がある分仕事の経験もない人間に比べると有利ではありますが、営業の経験がある人間と比較すると不利な立場となっています。営業は未経験でも入りやすいためそこまで厳しいものではありません

しかし営業の経験がないという都合で、その経験が必要とされる営業の仕事には携わることはできません。そのため選べる範囲自体は経験者よりも狭まっていて未経験でも可能という中から選んでいく必要があるのです。基本的に店舗での接客や販売が未経験でもなりやすい形式となっています。

一方で営業は未経験であってもそれ以前にしていた仕事の経験の影響もないわけではありません。そのため以前の仕事によっては特定の営業の仕事に就くことが可能という場合もあるのです。これに関しては企業が求めるものと一致しているかで変わるため求人の情報をよく見て分析する必要があります

気をつけたいのは未経験を対象として応募している企業の中には「裏」があることがあります。特に生命保険業界とかは未経験を応募していることが多いですが、これは人材が不足していて未経験でも何でもいいので補充したいという目的でされていることもあるのです。

こうした企業は人材が少ない=離職率が高く、労働環境に問題がある、というケースも珍しくありません。このようなところに応募すれば採用される可能性はありますが、一方で悪い言い方をすれば「使い捨て」されるケースも多いのです。

他にもこうした未経験を積極的に採用しているところは他での仕事に活かせない経験ばかり身に付くことが多くなっています。そのため若い世代の場合には下手にこうした営業職を狙うより人材や広告を利用した凡庸性のあるところを狙いましょう。

こうした応募するにおいて問題のある企業が存在する、という意味では思った以上に未経験での営業の転職は厳しいものと判断することもできるでしょう。

ブランクのある状態で営業への転職

以前は営業の仕事をしていたがその後別の仕事をして再び営業職への転職を目指す、こうしたケースの方も中にはいるでしょう。この場合は営業の経験と実績はありますがしばらくは携わっていなかったということでその期間のブランクがあります。ブランクがあれば当然それは転職においてマイナスに働いてしまうのです。

経験があるために未経験よりは転職先を簡単に見つけることはできます。しかしブランクがあれば当然書類選考でマイナスに働き、面接では必ずブランクについて聞かれることになるのです。このマイナスをどう払拭してプラスに変えるかがブランクありの方のポイントになります。

このブランクの長さも人それぞれではありますが、長ければ長い分それはマイナスへと働いてしまうのです。営業以外の仕事はしていたということで、かつての経験とその仕事の経験を合わせてアピールする必要があるでしょう。

経験がある分は未経験より勝手が分かっているため簡単ですが、現役で営業の経験がある方より厳しいのがこの立場の方となります。

空白の期間がある状態での場合は

ブランクはブランクでも、仕事をしていない期間があったという方もいるでしょう。営業は離職率が高い職種であるため、それが原因で退職してから転職先を探すことになるというケースも珍しい話ではありません。中には退職自体があまりいい結果でなくしてしまった方もいるでしょう。

仕事をしていない期間があるというのは営業に限らず転職の世界ではマイナスに働いてしまいます。他の仕事によるブランクがあるケース以上に書類選考で落とされる可能性が高くなるため、その分選択肢も狭くなってしまうでしょう。選考が通ったとしても必ず面接でそのことについて聞かれます。

面接での答えは下手に誤魔化そうとするより正直に答えた方がいいです。退職の件に関しても聞かれる可能性が高いですが、こちらも悪い結果でも正直に答えた方がいいでしょう。営業の世界であれば情報伝達も早いため嘘は簡単に見抜かれて印象が悪くなってしまいます。

正直に答えた方が結果としてダメージが少ないということです。しかし本当にそのまま答えると悪いまま終わってしまうのでプラスになるような材料と一緒に答えるようにしてください。

営業の仕事に復帰するのであれば空白の間もすぐ戻れるように書籍やネットを利用して知識や情報を頭に入れておきましょう。企業によっては空白があっても経験による知識があるどうかを質問で試してくる場合があるため、それに答えられればマイナスの印象も払拭することができます。

最終的に問われるのは本人が本当に営業の仕事に戻ろうと考えているかどうかです。その意思は書類や面接のできによって証明されてしまい、戻る気がない場合は相応の答えになってしまうでしょう。そのため転職を考える場合はまず自分の意志で判断するところか始めた方がいいです。

どの立場にいたとしても

経験があったとしてもその経験の質がどう有利に働くか分からない、未経験でもしてきた仕事の経験によって大きく有利に働くことがある、このように立場が同じでも変わることがあります。それまでの仕事次第では下手をすれば経験者よりも未経験者の方が有利になることもあるのです。

実際に経験者、未経験者と自分の立場が分かったとしてもそれが転職においてどれくらいの難易度になっているか理解することができない方も多いでしょう。特に転職が始めての方であれば転職活動のやり方自体が分かっていないため尚更のことです。

自分が実際に転職しやすいのか難しいのかを理解するためには転職エージェントを利用した方がいいでしょう。エージェントであればこちらの経験から営業への転職についてどれくらい努力する必要があるかを判断してくれます。どの営業に携えるかも判断することができるのです。

転職エージェントは転職活動のやり方自体も教えてくれるため、立場の理解関係なしに利用する価値が高いものとなっています。

まとめ

立場によって無謀というものはあれど、転職が実現できるかどうか自体は結局本人の行動、やる気次第という話になります。転職する気がない場合には簡単なレベルの立場であろうといつまで経っても転職することはできません。逆に可能不可能を理解して動けば厳しい立場でも転職することは可能なのです。

営業の仕事をするだけであれば多数の方面でチャンスは広がっています。自分の目的も考えてチャンスを逃さないように活動をしていきましょう。